深大寺 品川町 荏原郡 大塚 八王子 東京 品川 新宿

深大寺の打石斧

打石斧の一番多かつたのは、深大寺である。此所では先輩が、矢張打石斧を澤山採集した。

八王子街道を横切つて、いよ／＼深大寺近く成つたのが、午後の五時過ぎ。夕立でも來るか、空

深大寺の青渭神社前の坂まで來ると、半磨製の小石斧を得た。

『品川町か』

『荏原郡の品川町か』

『東京府下の品川町の意味なんで‥‥』

メリ／＼――這んな物を如何する――非常線――荏原郡縱斷――

『荏原郡の品川町か』

先づ權現臺、大塚、洗足小池、大池と過ぎ、祥雲寺山から奧澤へ出た。

八王子街道を横切つて、いよ／＼深大寺近く成つたのが、午後

『東京から』

『東京は何處だ』

『東京と云つたり、品川と云つたり、何方なんだ』

『東京府下の品川町の意味なんで‥‥』

に草鞋脚半、鎌や萬鍬を手に持つて居る。東京だと云つたり、又品川だとも答へる。怪しむのは道理だ。

『品川‥‥』

『品川町か』

『荏原郡の品川町か』

『東京と云つたり、品川と云つたり、何方なんだ』

『東京府下の品川町の意味なんで‥‥』

鍬を手に持つて居る。東京だと云つたり、又品川だとも答へる。怪しむのは道理だ。それが又石を掘ると

『全體、君達は品川の何處だ』

の停車場に出で、其夜の汽車に乘つて、品川まで歸つたが、新宿の乘替で、陸橋を上下した時の苦し

其夜の汽車に乘つて、品川まで歸つたが、新宿の乘替で、陸橋を上下した時の苦しさ。――これなら