食道楽 春の巻 / 村井弦斎

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地名一覧

伊予

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同  (伊予産) 一二・九八   一七・四一       ―   五一・一〇    九・八三

修善寺

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から豆相鉄道へ乗かえて修善寺の温泉へ往ったが修善寺名物の椎茸を沢山買って来た。しかるに椎茸の産地へ行って初めて驚い

に散る。同じ山葵でもそういう違いがあるそうだ。修善寺から熱海へ出て名物のポンスを買って小田原と大磯へ寄って来たが

大阪府

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にて製する事は今より三十余年前故後藤象二郎伯が大阪府に知事たる時一旦これを厳禁せしがその後禁弛み製造者が再びこれを

箱根

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を醤油へ入れても粘着力が強くって容易に散らない。箱根の山葵は直ぐに散る。同じ山葵でもそういう違いがあるそうだ。修善寺

上品で高貴の人の賞翫を受けるそうだ。その外に箱根の自然薯煎餅、小田原の蒲鉾、しおから、牛蒡の砂糖漬なんぞは皆んな小田原で

四国

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が沢山あるからね。椎茸の話で思い出したが九州や四国から出る乾海老がその通りだ。内地廻しというのは最下等品で上等

鎌倉

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猶予があれば片瀬へ寄って竜の口饅頭を買って鎌倉で力餅を買って、浦賀へ廻って日本一の水飴を買って、金沢で藻

奥州

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、特別に悪い女というほどでもありませんがなにしろ奥州の山の中で育った田舎娘です。教育もなければ礼儀も知らず、身体

ここは奥州の山の中、都を離れし片田舎ながら村中にて指を折らるる大原の

○胡桃餅は奥州の名物にて鬼胡桃の実をよく摺り豆腐を交ぜ水に溶きて砂糖醤油を交ぜ

九州

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ないものが沢山あるからね。椎茸の話で思い出したが九州や四国から出る乾海老がその通りだ。内地廻しというのは最下等品

銚子

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を知らせるつもり。この時娘は料理と共に酒の銚子を持ち来り「兄さんやっとお燗も出来ました。料理の方で火を使い

の醸造期限は気候の関係上土地によりて大差あり。銚子の醤油は十七か月にて出来、野田の物は二十二か月を要す。

伊豆

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同  (伊豆産) 一六・四〇    八・四二       ―   四一・九二   一七・〇六

越前

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すると申した長崎のカラスミ、鹿児島の鰹の煮取り、越前のウニ、小田原の塩辛、これだけは宅にありますから直ぐ間に合います。それ

庄内

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庄内産中ノ下白飯   六四・八五    三・〇六    〇・〇六   三一・

横浜

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上等品は秋から冬にかけて発生するのだが悉く横浜へ出して支那へ輸出してしまう。伊豆一国から毎年二十万円位の椎茸

前へ出し箸にてちぎりとるが御馳走なり。皮付の豚肉は横浜にて発売す。東京にては豚を剥がして馬具屋へ売る故皮付肉なし

鍋はまだ滅多に売っていない。食品屋へ頼むと横浜から取り寄せてくれるが鋳物だから価は少し高いけれどもこれさえ一つあると

売っている所があるまいか」小山「そうさねー、横浜の八十九番へ行けば小児用の品物は何でもあるが東京では近頃

天城山

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。これを料理して食べると実に美味いぜ。それから天城山の山葵も買って来た。山葵は天城が第一等だね。天城の山葵

川越

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、安い品で台所にあるものはそうですね、薩摩芋なら川越の上等が沢山買ってあります。里芋も御座います。そこに今朝魚屋が章魚

琉球

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豚は口へ入って溶けるようだね」主人「それは琉球の塩豚だもの。琉球の塩豚は有名なもので牛肉なんぞより数倍した

溶けるようだね」主人「それは琉球の塩豚だもの。琉球の塩豚は有名なもので牛肉なんぞより数倍した御馳走だぜ。豚だ

は困る」大原「イヤどうして軽蔑が出来るものか、琉球も豚は上等かね」主人「種が支那から来ているし飼養法も

○琉球の塩豚にも色々の種類あり。その中で縄巻と称し、肉の周囲へ

○琉球の塩豚を料理するは一晩位水に漬けて塩気を出し、一旦湯煮て

大阪

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大層進んでいる処ですのにそのお妹子さんは神戸や大阪にお在でよほど料理がお上手だそうです。良人はその時お妹子さんの

が親の役目だと聞きましたがその上に神戸や大阪で研究したのなら申分ありません。中川君は美男子だから妹子さんも

に仕込むが妹は国の料理を習った外に神戸や大阪で和洋の料理も少しずつ研究した。今日は幸い長崎の豚料理を拵え

もあります。西京では大豆を交ぜて煮ますし、大阪では蒟蒻を交ぜて煮ますし、外の処ではお茶を交ぜること

するには西京の真葛が原の豆が一番上等です。大阪の尼が崎辺の一寸豆もようございます。上州沼田辺の豆も大きい

、其処には才覚という事がありまして、私が大阪におりました時分はいつでも鮨屋へ鯛の頭を買いに行きました

明後日にも直ぐ婚礼をさせて、それから己たちは大阪の博覧会見物に出掛ける。今になってどうのこうのと満に何も言わ

神戸

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仕込むのが親の役目だと聞きましたがその上に神戸や大阪で研究したのなら申分ありません。中川君は美男子だから

事は大層進んでいる処ですのにそのお妹子さんは神戸や大阪にお在でよほど料理がお上手だそうです。良人はその時お

を充分に仕込むが妹は国の料理を習った外に神戸や大阪で和洋の料理も少しずつ研究した。今日は幸い長崎の豚

但馬辺りの山の中で働いていたものが急に神戸へ連れて来られて美味い物を食べさせられてそれで運動をせん

になるが日本の牛は食用牛の種類に属する。しかし神戸の牛は大概糖尿病に罹っているそうだね。今まで但馬辺りの山の

も産地で味が違うから妙だ。牛肉も西では神戸、東北では米沢というが日本の牛は概して味が好いそうだね

鹿児島

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た。中川君の妹は僕の注文通りです。長崎や鹿児島では娘に料理法を仕込むのが親の役目だと聞きましたが

中でお酒の肴にすると申した長崎のカラスミ、鹿児島の鰹の煮取り、越前のウニ、小田原の塩辛、これだけは宅に

長崎

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いました。中川君の妹は僕の注文通りです。長崎や鹿児島では娘に料理法を仕込むのが親の役目だと聞きまし

参ったら中川さんがお引合せなすったそうです。お国は長崎で料理の事は大層進んでいる処ですのにそのお妹子さんは神戸

は兄さんが好い肉をお捜し下すったお蔭で角煮なんぞは長崎で拵えるように出来ました」兄「そうか、それは何よりだ。

大阪で和洋の料理も少しずつ研究した。今日は幸い長崎の豚料理を拵えたから誰かに御馳走したい、折角御馳走するなら張合

そうだろうと思ったよ。僕の妹は料理自慢だ。長崎辺の風で女の子に料理法を充分に仕込むが妹は国の料理を

。先日小山君に御馳走した時はそれでしくじった。長崎辺で食用にするのは小豚ばかりだ、親は種豚にするけれども食用

」主人「アハハそれこそ言語同断乱暴狼藉というものだ。長崎辺では昔しから豚の生肉に毒があるといって決して直ぐ煮

ながら「これはうっかり教えられん、伝授料が要るよ。長崎でも同じ角煮といいながら家によって少ずつ料理方が違う。僕

肉を試してみ給え箸で自由にちぎれるよ。それが長崎有名の角煮といって豚料理の第一等、本式にすると手数も

がある。中川君の妹のお登和さんという人が長崎じこみの料理自慢だから僕は一品ずつ中川君の家へ持って

西村門弥さんも八十四歳でお二人ともお達者です。長崎でよくこういうことを申します。美味しい御馳走はその前を駆けて通った

ジャガ薯を食べるのはその訳だ。君今度の御馳走は長崎有名の角煮だからよく味ってくれ給え」客「色々御馳走が出来るね」

互に溶け合って鼈甲色に透通ったものが出来る。それを長崎で色付油という。しかし焦げ過ぎると黒くなって苦くって役に立た

寡い。西洋人もまだこの味を知らん。日本人では長崎の贅沢家を除くの外あまり知るまい。原料は安いもので味は最上

西洋風で内容が長崎風で鯛の頭のスープだよ。長崎で鯛の頭といえば非常の御馳走だ。殊に眼の肉と嘴の

ない内に早く遣り給え。これは外形が西洋風で内容が長崎風で鯛の頭のスープだよ。長崎で鯛の頭といえば非常

出来るといっている、ちょうど自分の同学生の妹が去年長崎から出て来て東京で嫁入口を捜がしているからその人を

。三十六品の中でお酒の肴にすると申した長崎のカラスミ、鹿児島の鰹の煮取り、越前のウニ、小田原の塩辛、これ

金沢

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を買って、浦賀へ廻って日本一の水飴を買って、金沢で藻ズクを買って来ようと思ったがそうは廻り切れなかった」と

京都

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○食用大根は京都聖護院産および名古屋宮重および方領産を良しとす。上等品にて蛋白質一

下谷

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軽焼が一番だと思うね。既に上流社会の和子様たちは下谷の名物風船あられといってこの軽焼の精製したものを召上ると申す事

○風船あられは下谷区東黒門町七番地東英堂にあり。

仙台

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同      仙台産 一二・六三    五・六九    〇・九四

仙台味噌        五〇・一六   一四・二九

秋田

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秋田産下ノ中白飯   六六・五六    三・〇九

宇都宮

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宇都宮産小豆      一二・七〇   二二・〇一

東京

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で団子鼻のどんぐり眼と来ていますから何ぼ何でも東京へ連れて来て僕のワイフですと人中へ出せません。国元の方

に妹があるという事は聞いていましたが今度東京へ呼んだのでしょうか」妻君「ハイそうだと見えます。暮に良人

妹を呼寄せて女房の出来るまで家事を任せ好き口あらば東京にて嫁入させん下心。兄の中川は年始廻りより帰り来りて衣服を

ほど赤い肉が柔くなって白い肉も決して溶けない。全体東京辺の豚は乱暴だよ、二十貫もあるような親豚を屠殺して

に粗悪な食料を与えた豚で食用にはならん。東京では折々そんなのを売っているからよほど吟味して買わねばならん

より遥に高くなる。生の肉を買ってみ給え、東京辺では極く上等で二十二、三銭位だろう。腿の肉はズッと廉い

○カステラ鍋は東京市浅草区蔵前片町瀬村正兵衛氏方にあり。壱円五十銭位なり。

も始めて発育する。その代り十歳位な小供でも東京辺の大人位食物を喫するね。大きくなったら三倍ないし五倍だろう。

というものはこういうものと僕は信じていたが東京へ来て始めて手足の肥った赤児を見た。それでも御方便な

僕の不便を忍んで遣らないとは限らん。しかしまだ東京へ来たばかりで誰にも会っていないし好い口の出るはずも

から待っていようか。時に中川君、お登和さんは東京で何処へか嫁に遣るつもりか」主人「好い口さえあれば遣りたい

ません。兄や親の都合次第でございます」妻君「東京でお嫁にいらっしゃるとようございますね、いつまでもお近所にいて

にお徳だか知れませんよ。失礼ですが貴嬢は東京でお嫁にいらっしゃいますか」お登和「どうなりますか分りません。

けれどもそれを巻いた紫蘇が小田原の特産だそうだ。東京へその種を播いてもあんな上等の色の紫蘇が出来ないというね

のは沢山発生して価も廉い。それが向うでは東京廻しといって最下等品だ。その代り春子の出盛りは一升五、

産地へ行って初めて驚いた事がある。今まで僕らが東京で上等の椎茸と思っていた笠の大きな色の薄赤いのは最下等

ん。自然と注意して食物を択ぶようになります。東京で有名な赤堀老人も八十八歳、生間流の大家の西村門弥さんも

ちぎりとるが御馳走なり。皮付の豚肉は横浜にて発売す。東京にては豚を剥がして馬具屋へ売る故皮付肉なし。

方へそういって遣ったら僕の両親も大層悦んで近々東京へ出て来るそうだ。そうしたら両親立会の上で婚礼式を挙げる

の頭と骨を無駄にする処があります。ですから東京でも鮨屋へ頼んで鯛の頭を安く売ってもらいました。何で

て貴夫人が自ら馬車へ乗って食料品を買いに行く。東京市中の西洋食品屋へ往ってみても分る。西洋人の馬車が

恩と婚礼とは別の事だからな。しかしこれが東京辺の風習だと親が息子に嫁を強い付ける事も寡いけれども郷里の

いったら強ゆる訳になるまい」大原「ところがね、東京辺ならば本人の心を聞いた上という事もあるが、僕の

にでもするから急に帰国するかそれとも此方から東京へ出ようか、二つに一つの返事をしてくれろとこういう訳

という訳ならばお代さんを東京へ連れて行って東京で婚礼をさせてもいい。和郎の方の都合でいずれにでも

たが急に帰れないという訳ならばお代さんを東京へ連れて行って東京で婚礼をさせてもいい。和郎の方の

の発表もないから僕はその相談を受けない内に早く東京で嫁を極めたいと思っていたのさ。最も去年中から卒業祝い

事情とありのままに委しく書いてともかくも君の御両親に一応東京へ来て戴いて先ず本人のお登和さんをよく見てもらい給え、そう

っしゃる。だけどもお代さん駄目だよ、満さんは東京で可愛い可愛い女が出来ているとよ」お代驚き「アラ、ホント」

て笑い出し「イヨお代さん、大層おめかしだね。東京の満さんに嫌われめいと思ってこの頃はめかしてばかりいさっしゃる。

見ると何だか少し怪しいようだ。堅い堅いといったって東京には好い女があるからなあ。この道ばかりはどうも別だよ。

で女房を貰ったら自分は帰って来る気があっても東京の女なんぞはこんな田舎へ引込む気はないからね。国の事なんぞは

に引かかるとモー駄目だよ。悪い女でなくても東京で女房を貰ったら自分は帰って来る気があっても東京の女なんぞ

忘れてしまって以上たっても帰らない。それにな、東京で女に引かかるとモー駄目だよ。悪い女でなくても東京で

。多分帰っては来めい。だから私は若い者を東京へ出すのがイヤだというのさ。旨く行かなけりゃ途中で銭を費

彼も皆な若旦那の帰期を問わざるなし。この村より東京へ留学して仮にも大学校を卒業せしはただ一人、その一人の

成り難くてや封を披きて二、三行読み下し「エート東京辺は追々暖気に向い候えども御地はいまだ寒さ烈き御事

山家育ち。伯母も側へ来り「手紙をよこすようでは東京へ来いというのかしらん、何といって来て」と左右よりの催促

モー直きに帰るよ。帰って来なければ和女を連れて東京へ行く事になっている。今までは和女の事を何ともそういっ

ほど極まっている事を相談もナニも要るものですか。東京へ往くならお代を一緒に連れて行って直ぐに婚礼をさせましょう

を見てくれろというのだ。私と和女と二人で東京へ往ってよく満とも相談した上にしよう」伯母「相談とは何

て自分の好きな女を引入れたのでなし、ともかくも東京へ来て本人を見てくれろというのだ。私と和女と二人で

は満の贔負ばかりしてお代を見捨てるおつもりですか。東京の怪しい女を納れさせて満の嫁にするつもりですか。満は本家

。それが悪いとは聞いた事がない。ナーニ満が東京の悪い女に引かかってお代がイヤになったからそんな事を言う

、先刻杢兵衛さんの言った通りだ。いつの間にか東京でそんな女に引かかってそれで何といっても帰らない。だから

ちょうど自分の同学生の妹が去年長崎から出て来て東京で嫁入口を捜がしているからその人を貰いたいと思うが一応

事も叶わねば言わるるままに身支度して明日はいよいよ東京へ出発する事となれり。お代の悦び一晩寝ずに顔ばかり

て行った日には」伯母「ナニ」伯父「マアサ、東京へ連れて行ったら和女にも分るだろう」と伯父は最初よりお代の

ってイヤと言うものですか」伯父「ウフフ、あの姿で東京へ連れて行った日には」伯母「ナニ」伯父「マアサ、東京へ

それで東京の女が好くなったのです。お代を東京へ連れて行って今の娘っ振を見せれば満だってイヤと言う

がこんな好い娘になっている事を知るまいからそれで東京の女が好くなったのです。お代を東京へ連れて行って今

をかける。何でも構わないから明日行こう。明日の晩東京へ着いたら明後日にも直ぐ婚礼をさせて、それから己たちは大阪

明日の朝直ぐに和女たちと一緒にお代を連れて東京へ行こう。暗い内に村を出て一の関まで車で飛ばせたら

もオーもあるものか。満の返事次第でお代を東京へ連れて行こうとその支度もしてあるがこんな様子では一日もうっかり

だこの手紙は。お代の事がイヤになった、東京に好い嫁があるから来て見てくれろとは何の事だ。お負け

、足音荒くツカツカと奥へ蹈込み来り「コレお国、東京の満から手紙が来たそうだ。その手紙を見せろ」と妹にまで

故郷の消息聞く由もなし、東京なる大原満は小山夫婦と中川兄妹の尽力によりて近頃新なる家に

自分の身内だけに向うへ贔負をするかも知れんが東京へ来てあの天女の如きお登和嬢を見れば誰だって賛成しない

八十九番へ行けば小児用の品物は何でもあるが東京では近頃素人の家で小児用の洋服を仕立てるものが沢山あるよ。

○小児の洋服は東京銀座弐丁目伊勢幸にあり。

よく揃いますまい」父「イヤそれはどうでもなる。東京は便利な処で借賃さえ出せば夜具は何時でも貸す処がある

人や十人寝る事の出来ないような気支はない。東京では上等の人が馬車へ乗って歩く。満だって今に馬車へ

大勢が急に押かけて往ったら泊る処があるかしらん。東京の家は田舎のように広くないから寝る事も出来ない様では困り

っけ。あの時分から見るとさぞ東京も変ったろう。和女は東京が始めてだから婚礼を済ませたら毎日満に各処へ連れて行って

年にちょうどあれが出来たっけ。あの時分から見るとさぞ東京も変ったろう。和女は東京が始めてだから婚礼を済ませたら毎日満

のが浅草の十二階というものだよ。私が先年東京へ出た年にちょうどあれが出来たっけ。あの時分から見るとさぞ東京

※実用料理教本  大村忠二郎氏著、東京日本橋区通三丁目成美堂発兌、正価五十銭

※日本料理法大全  石井治兵衛氏著、東京日本橋区本町三丁目博文館発行、定価弐円五十銭

日本料理法  赤堀峯翁安西こま子二氏共著、東京日本橋区通一丁目大倉書店発行、四十五銭

※惣菜三百種  井上善兵衛氏著、東京銀座一丁目大日本図書株式会社、四十五銭

蔵前

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○カステラ鍋は東京市浅草区蔵前片町瀬村正兵衛氏方にあり。壱円五十銭位なり。

浅草

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○カステラ鍋は東京市浅草区蔵前片町瀬村正兵衛氏方にあり。壱円五十銭位なり。

母は姪のお代に向い「モー向うに見えるのが浅草の十二階というものだよ。私が先年東京へ出た年にちょうど

浅草海苔     一三・五三   一九・三五

新橋

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帰りになればいい。何だか待遠ですな。僕は新橋まで迎いに行きましょうか」と心のみ頻りに急がるる。

大久保

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の色の紫蘇が出来ないというね。この柚餅も大久保家伝来の名物だ。ここに磯松風という小田原の菓子がある。これ

上野

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駆け付けましたか、一番汽車へ乗れば晩の六時頃上野へ着く勘定ですが日本一の不規律鉄道、時間通りに着く事は当になり

に来れば六時に汽車が着く勘定ですから僕はソロソロ上野の停車場まで出迎いに行って参ります。小山の奥さん、これでモー大概の

がいい。これからはちょうどお花見になって向島でも上野でもどんなに人が出て賑やかだろう」お代「鎮守様のお祭りより

自分勝手の妄想は到る処に行わる。今や上野に着せんとする汽車の二等室内には大原家の一行五人が

目白

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顔をしている親たちが多いから不思議さ。その癖目白の摺餌を一々衡器にかける人はあるけれども小児の食物に注意する

銀座

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○小児の洋服は東京銀座弐丁目伊勢幸にあり。

向島

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行ってもらうがいい。これからはちょうどお花見になって向島でも上野でもどんなに人が出て賑やかだろう」お代「鎮守様

日本橋

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※実用料理教本  大村忠二郎氏著、東京日本橋区通三丁目成美堂発兌、正価五十銭

※日本料理法大全  石井治兵衛氏著、東京日本橋区本町三丁目博文館発行、定価弐円五十銭

料理法  赤堀峯翁安西こま子二氏共著、東京日本橋区通一丁目大倉書店発行、四十五銭

※西洋料理法  日本橋区本町三丁目金港堂、五十銭

※食物彙纂  相模嘉作氏著、日本橋区通三丁目丸善株式会社、壱円

浦賀

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て竜の口饅頭を買って鎌倉で力餅を買って、浦賀へ廻って日本一の水飴を買って、金沢で藻ズクを買って来ようと

○浦賀の水飴は西浦賀田中和泉屋にあり。今は盛に外国へ出輸す

東京湾

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生鮭   (東京湾産) 七三・〇二   一六・八〇    七・九〇

鱒    (東京湾産) 六六・六七   一八・一八   一三・六一

京橋

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※料理講義録  京橋区鈴木町大日本割烹学会、一冊二十銭