石鎚山 松山市 川内 石墨山 三輪田米山 川内村 八幡宮 高縄山 障子山 四国 伊予 松山

迫つた。その東の方の隅に凹字形をした石鎚山が奥深く控へて、その時々の気象によつて或は黒く、或はほのかに、或は

あつた。その日は次第に山深くはひつて行つて、石鎚山の中腹の黒川といふ人家の少ない僻村までたどりついた。途中も二、三軒位しか

数度、それもあまり遠い前でなく、この成就社から石鎚山を眺めた景色を夢に見たことがある。実際の旅の時の印象ははつ

松山市を囲む小さな道後平野を限つて、北には高縄山があり、南と

になつたのかはつきりしない。Ｏ氏の家は川内の八幡宮の前にあつて、荒物屋で居酒屋を兼ねて居た。社境

つて障子山、三坂峠、北ヶ森、遅越峠、石墨山などの連峯が屏風のやうにそそり立つてゐる形は、少年の眼には高山

があつて、そこの石標は、維新頃の勤王の志士三輪田米山といつて、ここの神官をして居た書家の書であることを、

中にあつたのかどうか、我々は街道を離れて川内村の瀑布を見に行くことになつた。しかも途中でおいさんが遠縁のＯ

たのかはつきりしない。Ｏ氏の家は川内の八幡宮の前にあつて、荒物屋で居酒屋を兼ねて居た。社境は砂が

松山市を囲む小さな道後平野を限つて、北には高縄山があり、南と東とに亙つて障子山、三坂峠、北ヶ森

には高縄山があり、南と東とに亙つて障子山、三坂峠、北ヶ森、遅越峠、石墨山などの連峯が屏風のやう

、ちやうど日清戦争の翌年であつた。旅行の目的は四国第一の高山石鎚山に登ることであつた。私の少年の頃「お山行（やまゆき）

木曾や東北で用ひるのと同じやうなものである。伊予のやうな暖国でも山深く行けばさういふものを穿くのである。畳の

の所に送られ、その翌日には初めて蒸気船に乗つて松山に近い三津の浜へ帰りついた。六泊一週間の旅の残像を態と