ニセコ 北海道 樺太 マニラ 小樽 東京

ニセコの山頂でこの厄に遭っていたのと殆んど同じ頃、苫小牧の飛行場で

この頃会う人ごとに、よくニセコの研究はもう出来なくなったのでしょう、惜しいことですねと同情される。

この山は北海道でも有名な吹雪の難所である。山頂の天地晦瞑の雪嵐の中で

取る物もとりあえず、樺太からの引揚民の中に雑って、地獄絵のような場面を見続けながら、

させ、また刺戟したのであった。シンガポールでも、マニラでも、そういうことが始終あったらしい。何かの意味で戦争に必要

について質問されて、大いに困ったことがある。マニラの暴状を見て来たばかりのその将校は、余りにも苛い無意味なる破壊

ベルトがなくては、低温研究所の機能が止ってしまう。小樽札幌とあらゆる手を廻して品物を手に入れようとしたが、駄目で

、地獄絵のような場面を見続けながら、三日がかりで東京へ出た。そして十日ばかりかかって、雪中飛行の研究所を農業物理の

東京で総司令部の報道関係の一将校に会った時に、この点につい