由布院行 / 中谷宇吉郎

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地名一覧

由布院

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伯父のいるのは由布院という所で、九州の別府温泉と同じ系統に属する辺鄙の温泉地である

を越した盆地の中で、九州でも「五箇荘か、由布院か」といってからかわれる位の山の中なのである。

由布院へは中学の時に一度行ったことがある。その頃は伯父も別府に

よい所は少いだろう。何しろ三千尺の峠を越して、由布院の盆地が二千二百尺の高さなのである。六里の高原を、一

が、草原を走る自動車の道は一里に足らない。由布院の盆地の斜面にかかると、自動車はエンジンを止めて、緩やかに降り始める。

益々丈夫そうになっていた。これから発達しようという由布院の温泉地の一廓からは全くかけ離れているので、少しも気づまりな点が

下関

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夜遅く下関へ着いて、駅前の名もない宿へ泊る。すぐ前は、何とか

帆足万里

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庵という篆字の額も、すべての風物が珍しかった。帆足万里の軸の前に坐って、伯父は今の生活の心安さを色々と話し

五箇荘

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里の峠を越した盆地の中で、九州でも「五箇荘か、由布院か」といってからかわれる位の山の中なのである。

九州

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なければならないと思っていた矢先だったもので、九州の伯父のところへ行くことにした。伯父といっても、故郷にい

伯父のいるのは由布院という所で、九州の別府温泉と同じ系統に属する辺鄙の温泉地である。温泉地といって

、別府から六里の峠を越した盆地の中で、九州でも「五箇荘か、由布院か」といってからかわれる位の山の中な

林だったのだそうである。今ではこのような九州の山奥でも、白檀のそのような大きい樹は殆んどなくなっているので、

東京

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二十四時間仮眠して来たので、ちっとも草臥れなかった。東京からずっと一緒に来た新婚の夫婦らしいのが、初めは大分行儀がよかっ

一わたり東京の話をきいて、伯父は如何にも満足らしく喜んでくれた。実は

東京の忙しい生活に追われていた自分は、久しぶりで昔の生活に返っ

が――私のことを忰というのである――東京で、T博士の助手をして研究をしておりますわい」と

っしたところじゃがKKという人が来たが、東京の人だそうだがお前知ってるか」という。「それは大分有名