流言蜚語 / 中谷宇吉郎

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地名一覧

本郷

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流言があった。上野で焼け出された私たちの一家は、本郷の友人の家へ逃げた。大火が漸くおさまっても流言は絶えない。三

樺太

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船は樺太からの引揚民で一杯であった。人々は折り重って冷い甲板上にね

北海道

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出発前にちょっと仕事の関係で北海道の田舎の或る村へ寄ったら、東京は大混乱だという噂が拡って

街であった。帰りは技術院関係の友人が一緒に北海道へ来る用事があって、技術院の証明を持って上野へ切符を買いに

本州

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真夜中、当分杜絶になるという最後の連絡船に乗って本州へ渡った。

青森

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たので、一人で先きに立って来てみたら、青森では一人の積み残しもなく、全部船に乗れた。

。その人が駅から帰って来ての話では、青森で七千人溜っているからと言って、切符を売ってくれなかったと

小樽

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入端を起されたので、大分不機嫌である。大体あの小樽の埠頭設備で、二万の武装兵力が上陸するのに何日かかるか、とても

している。聞いてみると、なるほど重大問題である。小樽へソ聯兵が二万上陸したから、戦時研究関係の重要書類を直ぐ焼却

東京

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も増して混んでいる東北線で一昼夜揉み潰されて、やっと東京へ着いた。

て差支えないという確信を得ただけでも、今度の東京行は大いに有意義だったという気がした。

東京は全く平穏であったが、帰りの汽車は復員輸送で往きよりももっと

も乗り込むように言われた。実際に行ってみると、東京は一番平静な街であった。帰りは技術院関係の友人が一緒に

ちょっと仕事の関係で北海道の田舎の或る村へ寄ったら、東京は大混乱だという噂が拡っていて、まるで死地へでも乗り込む

東京でも同じような話が沢山あったそうである。終戦から二、三

上野

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北海道へ来る用事があって、技術院の証明を持って上野へ切符を買いに行った。その人が駅から帰って来ての話

時にも不逞鮮人事件という不幸な流言があった。上野で焼け出された私たちの一家は、本郷の友人の家へ逃げた。大火

駒込

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おさまっても流言は絶えない。三日目かの朝、駒込の肴町の坂上へ出て見ると、道路は不安気な顔付をした