昔の女 / 三島霜川

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地名一覧

本郷

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でせう。」と皮肉に謂ツて、「私、些と本郷まで行ツて來ますよ。」

「本郷まで……、何しにノ。」

川越

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屡く叔父の家に來た。綾さんの父は、川越の藩士で、明治七八年頃からづツと逓信省の腰辨は腰

なツて、遂々世帯を疊むで了ふ、芳坊は川越の親類に預かツて貰ふ、母親は東京で奉公することになる、自分

小石川

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壓を感じながら、崩れかツた長い長い土塀に沿ツて小石川の方に歩いた。眞砂町、田町、川勝前から柳町にかけて、其の

根津

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た風をして、白粉をこツてり塗りこくツて、根津や三崎町あたりの小芝居に出てゐる役者の噂をしてホク/\して

/\してゐることもあツた。蔭沙汰では根津の下廻りの後を追駈け廻してゐるといふことも聞いた。

下谷

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らしい。で、其の話の進行中に由三は一家を提げて下谷の七軒町に引越した。そして綾さんの家との交通は、ふツつり

神戸

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\する。するうちにお兼は定連の一人と出來て神戸の方へ駈落ちして、彼方で世帯を持つ。家は益々遣切れなく

目白

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金を借りて困ツてゐること、其の父が毎日鶯と目白の世話ばかりして、何もせずにブラ/″\してゐるの

が幾ツもかけてあツて、籠を飛廻ツてゐる目白の羽音が、パサ/\と靜に聞えた。前からある時計もチクチク

東京

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家の柱となツて、一家殘らず東京に出た。東京ではポツ/\白地を着てゐる人を見受ける頃であツた。

たばかりの年を家の柱となツて、一家殘らず東京に出た。東京ではポツ/\白地を着てゐる人を見受ける頃

奉公先で病ついたといふとで、取る物も取りあえず久しぶりで東京に出て來たとのことであツたが、然ういふ自身も、

芳坊は川越の親類に預かツて貰ふ、母親は東京で奉公することになる、自分等は世帯を持つ工面の出來るまで越ケ谷に

巣鴨

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また小時フラ/\と歩續けた。そして林町から巣鴨通に抜けて、瘋癲病院の赤煉瓦の土塀に沿ツて富士前に出