廿九日の牡丹餅 / 岡本綺堂
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うろ付いていました。まず小田原まで踏み出しましたが、箱根のお関所がありますので、熱海の方角へ道を換えて、この湯治
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場に半月ほども隠れていました。それから引っ返して江の島、鎌倉……。こう申すと、なんだか遊山旅のようでございますが
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金龍山の牡丹餅は有名であるが、ここはしょせん駄目であろうと、かれらも最初
から諦めていたのである。しかもこの上はともかくも金龍山へ行ってみて、そこでお断りを食ったらば、広小路の方へ行っ
そうにきこえた。正直な小女は日傘もささずに、金龍山下瓦町の家をかけ出して、浅草観音堂の方角へ花川戸の通りを急いで来ると
のか知らないが、俄かに思い付いたようにほほえみながら、金龍山下の方角へ足をむけた。彼は延津弥の家の前に立停まっ
もかも正直に申立てたので、捕り方は直ぐに金龍山下へむかったが、清元の師匠はもう影を隠して、小女ひとりがぼんやり
に殺されたのは明白であった。捕り方はさらに金龍山下にむかったが、延津弥の姿はやはり見いだされなかった。
、ともかくもその後の様子を訊いてみようと思いまして、金龍山下の延津弥の家へこっそり尋ねて行きますと、師匠はよく帰って
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たが、二十九日の牡丹餅が効を奏したのか、江戸にはさまでの病人もなく、まず目出たいといううちに、八月にはいって
それからそれへと新しい噂に追われて、物忘れの早い江戸の人たちは、先々月の末に汗を拭きながら牡丹餅をこしらえたり、買い
出されたような形で、幾らかの路用を貰って江戸へ帰って参りました。
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千生はそれから小半時ほども話して帰ると、入れちがいに今戸の中田屋という質屋の亭主金助が来た。金助は晦日まえで、蔵前
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半月ほども隠れていました。それから引っ返して江の島、鎌倉……。こう申すと、なんだか遊山旅のようでございますが、ほか
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(例)浅草金龍山下に
ひそめて、団扇を片手に低い溜息をついたのは、浅草金龍山下に清元の師匠の御神燈をかけている清元延津弥であった
は日傘もささずに、金龍山下瓦町の家をかけ出して、浅草観音堂の方角へ花川戸の通りを急いで来ると、日よけの扇を額に
兼はせがれ長之助のゆくえ不明を苦に病んで、この頃は浅草の観音へ夜詣りをする。観音堂は眼と鼻のあいだの近い処で
故郷の浅草へ帰りましたのは、八月十六日の晩で、それから真っ直ぐに
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て疫病よけをする家が少くないという。今日でも東京のまん中で、こんな非科学的のお呪禁めいたことが流行するかと思う
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のまわりを撫でながら、男はやはりにやにや笑っていた。田原町の蛇骨長屋のそばに千鳥という小料理屋がある。彼はその独り息子
が、これには別条もなかった。ともかくもその牡丹餅は田原町の千鳥から貰って来たものであるというので、千鳥の女房お
、身支度をして出たままで帰らないという。おそらく田原町まで行く途中、長之助が挙げられた噂を聞いて、千鳥へも行かず
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いう質屋の亭主金助が来た。金助は晦日まえで、蔵前辺に何かの商売用があって出て来たついでに、延津
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奉公人らも途方にくれた。お兼の兄の小兵衛は千住の宿で同商売をしているので、それが駈け付けて来て
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それから又、相模路から八王子の方へ出まして、そこに遠縁の者がありますので、脚気
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参りません。八月二十一日の晩に延津弥は日本橋の方へ行くといって家を出まして、四つを過ぎても
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ところへ落ち延びてしまったのか、あるいは自分でいう通り、隅田川に身を沈めて、その亡骸は海へ押流されてしまったのか