半七捕物帳 58 菊人形の昔 / 岡本綺堂
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足を向けた。千駄木の坂下から藍染川を渡って、笠森稲荷を横に見ながら、新幡随院のあたりへ来かかると、ここらも寺の多い
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昔である。彼女は江戸へ出ようとして、信州から甲州へさしかかって石和の宿まで来た時に、風邪をこじらせて高熱に仆れ
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ので、時々に場所を変えることにして、この頃は道灌山の辺に隠してあるから、いずれ持ち帰ってお前に戻すと誓ったので、
た。「わたくしも油断なく気をつけていますと、道灌山に隠してあるというのは嘘で、ほかに隠してあるらしいのです。
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尽きです。それからだんだん探ってみると、異人の馬は神原の屋敷の厩につないであることが判りました」
しゃれちゃいけない。いや、その馬を取り返すのが面白い。神原の屋敷から表向きに牽き出しては、事が面倒です。そこで、夕がたの
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てくれ、おれはこれから足ついでに谷中へ廻って、三崎をうろ付いてみよう」
。ひそかにそのあとを尾けて行って、彼女が谷中の三崎に住んでいることを突き留めた。おころも最初はシラを切って、それは
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の際に用人堀河十兵衛と一緒に函館へ脱走して、五稜郭で戦死したそうですから、本人としては馬泥坊の罪を償った
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。こんにちでも繁昌している団子坂の菊人形、あれは江戸でも旧いものじゃあありません。いったい江戸の菊細工は――などと、
菊人形、あれは江戸でも旧いものじゃあありません。いったい江戸の菊細工は――などと、あなた方の前で物識りぶるわけではあり
、手早く相棒に渡してしまったに相違ありませんよ。江戸の巾着切りは手妻があざやかだから、薄のろい毛唐人なんぞに判るものですか
江戸は繁昌と云っても、その頃の江戸市内に空地はめずらしくなかった。
。半七は露路へはいっておころの家を窺うと、江戸のまん中と違ってここらの露路の奥は案外に広かった。入口の狭い
「名は何といって、いつから江戸へ来ているのだ」
「お千といいます。江戸へはこの六月に出て来ました」
「いいえ。江戸へ一度出て来まして、それから出羽奥州、東海道、中仙道、京、大坂
、大坂、伊勢路から北国筋をまわって、十一年目に江戸へ来ました」
あしかけ十一年の昔である。彼女は江戸へ出ようとして、信州から甲州へさしかかって石和の宿まで来た時に
後を追いかけたが、そのゆくえは知れなかった。ともかくも江戸へ出て半年あまりも探しあるいたが、おころのありかは遂に判らなかった
日本の半分以上をさまよい歩いて、ことしの六月、再び江戸の土を踏んだのである。
年のあいだ、伊豆相模のあたりを徘徊して、それから江戸へ戻って来たのである。しかし管狐を自分の家へ置くことは何
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「本郷の屋敷にいる……」
それから本郷の屋敷へ牽いてゆくと、主人の神原も少しおどろきました。異人の馬
、事が面倒です。そこで、夕がたの薄暗い時分に、本郷の屋敷の裏門からそっと牽き出して、かの団子坂の空地に放して置くと
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へ来かかると、ここらも寺の多いところで、町屋は門前町に過ぎなかった。その寺門前で市子のおころの家を訊くと、彼女
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その頃はみんな異人と云っていましたが、これは横浜の居留地に来ている英国の商人で、男ふたりはいずれも三十七八
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幸次郎に別れて、半七は谷中の方角へ足を向けた。千駄木の坂下から藍染川を渡って、笠森稲荷
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に別れて、半七は谷中の方角へ足を向けた。千駄木の坂下から藍染川を渡って、笠森稲荷を横に見ながら、新幡随院の
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前にも申す通り、根津から団子坂へかかって来ると、ここらは大へんな混雑、殊にこんにちと違っ
坪の草原は到る所にある。まして半分は田舎のような根津のあたりに、このくらいの草原を見るのは不思議でもなかったが、ここ
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ぶるわけではありませんが、文化九年の秋、巣鴨の染井の植木屋で菊人形を作り出したのが始まりで、それが大当りを取っ
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高輪東禅寺の英国仮領事館に一泊して、きょうは上野から団子坂へ廻って来たというわけで……。勿論、その頃
昔から云い伝えている通り、彼女は九月のはじめに、上野の広小路でおころの姿を見つけた。ひそかにそのあとを尾けて行っ
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のである。きょうは取り留めた獲物も無しに、半七は神田の家へ帰った。
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「お角の居どころは知れました。浅草の茅町一丁目、第六天の門前に小さい駄菓子屋があります。おそよと
ば、それから足が付く虞れがあるので、平吉は浅草あたりの皮剥ぎ屋へ牽いて行って、捨て値に売ってしまいました。殺し