半七捕物帳 09 春の雪解 / 岡本綺堂

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地名一覧

入谷

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だから、河内山の狂言を御存知でしょう。三千歳の花魁が入谷の寮へ出養生をしていると、そこへ直侍が忍んで来る。あの

落ちて来た。帰りはやはり七ツ過ぎになって、入谷の田圃はもう真っ白に埋められていた。重い傘をかたげて、このあいだ

「誰袖は入谷の寮に出ていると云うじゃありませんか」と、庄太は心得顔に

二枚目の売れっ妓で、去年の二の酉が済んだ頃から入谷の寮に出養生をしているが、女に似合わない大酒であるから、

が知れると面倒であるから、誰袖は病気にかこつけて入谷の寮へたびたび出養生にゆく。そこへ永太郎が忍んでゆく。普通の店

金杉

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「こりゃあ別の話ですがね。やっぱり金杉の方から吉原へ辻占を毎晩売りに来る娘があるんです。十六七

に浮かんだことがある。まあ無駄足だと思って、その金杉へ行ってみようよ。おまえも御苦労だが、一緒に来てくれ」

飯を食ってしまって、二人はすぐに金杉へ行った。きょうはのどかな日で、上野の森の上には薄紅い

は覚悟の上であるから、二人はあたたかい日を背負いながら金杉の方へぶらぶら歩いて行った。そのうちに何を見付けたのか、半七

あの辰伊勢の寮にいる誰袖という女も、やっぱり金杉の近所の者だというじゃあねえか。お前、知らねえか」

られないと思ったので、彼は雪解け路をたどって金杉へ出かけた。徳寿の家をたずねて、彼をそっと呼び出すと、徳寿はすぐ

江戸

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者が麦飯を食っちゃあいられませんから、又こっそりと江戸へ帰って来て、お時から幾らかずつの小遣いを強請って、そこら

下谷

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慶応元年の正月の末であった。神田から下谷の竜泉寺前まで用達に行った半七は、七ツ半(午後五時)

傷めたのだろうという噂である。年は二十一で、下谷の金杉の生まれだと女衒が話した。

浜町

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よ。まあ、聴いてください。わたくしの方は素話で、浜町の太夫さんの粋な喉を聴かせるなんていうわけには行かないんです

神田

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慶応元年の正月の末であった。神田から下谷の竜泉寺前まで用達に行った半七は、七ツ半(午後五

の正体を突き止めたかった。その晩は徳寿に別れて、神田の家へまっすぐ帰ったが、あくる朝、浅草の馬道にいる子分の庄太

「今だから行って聞かせる。おれは神田の半七だ」と、半七は名乗った。「往来なかじゃあどうにもなら

浅草

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別れて、神田の家へまっすぐ帰ったが、あくる朝、浅草の馬道にいる子分の庄太を呼びにやった。

上野

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はすぐに金杉へ行った。きょうはのどかな日で、上野の森の上には薄紅い霞が流れていた。

彼は上野の山下まで用達に行って、すぐに家に帰ろうとしたが、また

草加

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に五両の金を納めて行ったんです。それから草加の在の方へ行って、ひと月ばかり隠れていたんですが、