修禅寺 鎌倉 伊豆

たもので、相変らず甘いお芝居。頼家が伊豆の修禅寺で討れたという事実は、誰も知っていることですが、この脚本

一昨々年の九月、修禅寺の温泉に一週間ばかり遊んでいる間に、一日修禅寺に参詣して

寺の温泉に一週間ばかり遊んでいる間に、一日修禅寺に参詣して、宝物を見せてもらったところが、その中に頼家の仮面

に日が暮れる、秋風が寒くなる。振返って見ると、修禅寺の山門は真暗である。私は何とも知れぬ悲哀を感じて悄然と

彫っている姿が眼に泛ぶ。頼家の姿が浮ぶ。修禅寺の僧が泛ぶ……というような順序で、漸々に筋を纏めて行く

が滞在していた新井の主人の話に拠ると、鎌倉では頼家を毒殺せんと企て、窃に怪しい薬を侑めた結果、

を仮面に作らせて、頼家はかくの通りでござると、鎌倉へ注進させたものだという説があるそうですけれども、これは信じ

せられたもので、相変らず甘いお芝居。頼家が伊豆の修禅寺で討れたという事実は、誰も知っていることですが