半七捕物帳 16 津の国屋 / 岡本綺堂

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地名一覧

甲州街道

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甲州街道の砂を浴びて、気味のわるい襟元の汗をふきながら、文字春は四谷の

大木戸

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祖師様へ参詣に行って、くたびれ足を引き摺って四谷の大木戸まで帰りついたのは、弘化四年六月なかばの夕方であった。赤坂から

青山

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て困っているとか申すことですが……。わたくしは青山に居ります者で、どこへか御奉公に出たいと存じて居りますところ

信楽

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な本街道を選んだのと、真夏の暑い日ざかりを信楽の店で少し休んでいたのとで、女の足でようよう江戸へはいっ

江戸

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で少し休んでいたのとで、女の足でようよう江戸へはいったのは、もう夕六ツ半(七時)をすぎた頃で

であった。それでも無事に大木戸を越して、もう江戸へはいったと思うと、彼女は又すこし気が強くなった。灯ともし

はいよいよおかしく思った。近いところと云っても、八王子から江戸の赤坂まで辿って来るのは、この時代では一つの旅である。

ているらしかった。若い女がこんな悠長らしい姿で八王子から江戸へ来る――それがどうも文字春の腑に落ちなかった。しかし一旦こう

聞くと、あの津の国屋という家は三代ほど前から江戸へ出て来て、下谷の津の国屋という酒屋に奉公していたん

八丁堀

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ていた。常吉はそれだけの調べを終って、更に八丁堀へ顔を出すと、同心たちの意見も心中に一致していて、もう

四谷

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の御祖師様へ参詣に行って、くたびれ足を引き摺って四谷の大木戸まで帰りついたのは、弘化四年六月なかばの夕方であった。

て、気味のわるい襟元の汗をふきながら、文字春は四谷の大通りをまっすぐに急いでくる途中で、彼女は自分のあとに付いてくる

四谷の大通りを行き尽すと、どうしても暗い寂しい御堀端を通らなければなら

途中でふいと消えてしまうんですもの。あたしは夢中で四谷の方へ逃げだして、これからどうしようかと思っているところへ丁度棟梁が

赤坂

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怪談です」と、老人はまじめにうなずいた。「しかもこの赤坂にあったことなんです。これはわたくしが正面から掛り合った事件じゃあり

のは、弘化四年六月なかばの夕方であった。赤坂から堀の内へ通うには別に近道がないでもなかったが、女

「はい。赤坂の方へ……」

「赤坂はどこです」

おかしく思った。近いところと云っても、八王子から江戸の赤坂まで辿って来るのは、この時代では一つの旅である。しかも見

の馬道に有名な接骨の医者があるというので、赤坂から馬道まで駕籠に乗って毎日通うことにした。

下谷

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いう家は三代ほど前から江戸へ出て来て、下谷の津の国屋という酒屋に奉公していたんだが、三代前の

それから二日の後に、津の国屋の主人は下谷広徳寺前の菩提寺へ引き移った。主人は寺のひと間を借りて当分

から、内分にも何にもなることじゃあねえ。取りあえず主人を下谷から呼んでくるやら、御検視を受けるやら、家じゅうは引っくり返るような騒動

津の国屋の親戚で、下谷に店を持っている池田屋十右衛門、浅草に店を持っている大桝屋

では、万事が不便であるので、かれらは浅草下谷をごろ付きあるいている無宿者の熊吉と源助とを味方に抱き込んだ。

八王子

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「八王子の方から」

を穿いているらしかった。若い女がこんな悠長らしい姿で八王子から江戸へ来る――それがどうも文字春の腑に落ちなかった。

文字春はいよいよおかしく思った。近いところと云っても、八王子から江戸の赤坂まで辿って来るのは、この時代では一つの旅

。その娘の名はお安というんだろうと思う。八王子の方で死んだ筈だ」

来たと云っていましたよ。じゃあ、あの娘は八王子の方で死んだんですか」

「そうです、そうですよ。八王子の方から来たと云っていましたよ。じゃあ、あの娘は八王子

から、早く貰い子でもせざあなるめえというので、八王子にいる遠縁のものからお安という娘を貰って、まあ可愛がって

それだから困る。いっそ其のわけを云って、貰い娘は八王子の里へ戻してしまったらよさそうなものだったが、そうもゆかねえ

「それから八王子へ帰って、間もなく死んでしまったという噂だ。今もいう

浅草

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打ち身のようになっても困るという心配から、そのころ浅草の馬道に有名な接骨の医者があるというので、赤坂から馬道まで

しかも其の僧の姿が眼先にちら付いて、彼女は浅草へゆく途中も頻りにその真偽を疑っていたが、往きにも復り

の親戚で、下谷に店を持っている池田屋十右衛門、浅草に店を持っている大桝屋弥平次、無宿のならず者熊吉と源助、矢場女

ばかりでは、万事が不便であるので、かれらは浅草下谷をごろ付きあるいている無宿者の熊吉と源助とを味方に抱き込んだ

お安の幽霊に化けたのは、浅草のお兼という矢場女で、見かけは十七八の初心な小娘らしい

に彼女が此の頃の様子を探らせると、お兼は先頃浅草の小料理屋へ行って池田屋十右衛門に逢ったことが判った。池田屋

神田

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ことを断わって帰って来た。彼はそれからすぐに神田三河町の半七をたずねて、何かしばらく相談して別れた。

ならず者熊吉と源助、矢場女お兼、以上の五人は神田の半七と桐畑の常吉の手であげられた。津の国屋の菩提寺の住職

千住

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を白状した。源助は一旦その姿を晦ましたが、千住の友達へ立ち廻ったところを捕えられた。主犯者の池田屋と大桝