本郷 大阪 東京 銀座 新橋

そのころ、僕は妹の美智子と一緒に、本郷の親戚の家に寄留して、僕はＭの学校、妹はＡ女学校に

カ月あまりの後、八月十九日の夜に、僕は本郷の親戚から電報を受取った。帰省ちゅうの美智子が死んだから直ぐに帰れと

の早朝に山をおりた。東京へ帰って聞きただすと、本郷の親戚でも単に死亡の電報を受取っただけで詳しいことは判らないが、

浜崎のひとり息子の清というのは大阪の或る学校を卒業して、今は自分の家の商売をしている。

年以上の昔になる。僕がまだ学生服を着て、東京の学校にかよっていた頃だから……。それは明治三十何年

もひと足さきに、忘れもしない七月の十二日に東京を出発したので、僕は新橋駅まで送って行ってやった。

あった。ともかくも僕はすぐに帰郷することにして東京を出発した。ひと月前に妹を新橋駅に送った兄が、ひと月

僕は友人を残して翌日の早朝に山をおりた。東京へ帰って聞きただすと、本郷の親戚でも単に死亡の電報を受取っただけ

、その日は盆の十二日だから草市の晩だ。銀座通りの西側にも草市の店がならんでいた。僕は美智子の革包

は、すべての人が承認しているのだ。今度も新橋でわかれる時に、「清君によろしく。」と言ったら、美智子は少し