江戸 八丁堀 赤坂 下谷 神田 品川 浅草 東京 京橋

に婿を取りましたが、この婿がなかなか働き者で、江戸が東京になると同時に、すばやく商売替えをして、時計屋になりまし

五日つづいた。半七は朝飯を済ませて、それから八丁堀の旦那（同心）方のところへ歳暮にでも廻ろうかと思っていると

ちゃあ仕合わせだ。ここで主殺しの科人を引っくくっていけば、八丁堀の旦那方にも好い御歳暮が出来るというもんだ。さあ、こいつ等、いけ

歴史小説の老大家Ｔ先生を赤坂のお宅に訪問して、江戸のむかしのお話をいろいろ伺ったので、

Ｔ先生のお宅を出たのは午後三時頃で、赤坂の大通りでは仕事師が家々のまえに門松を立てていた。砂糖屋の

「これはおかみさんでございますか。わたくしは下谷に居ります文字清と申します者で、こちらの文字房さんには毎度

伜とは一生縁切りという約束をいたしました。それから下谷の方へ引っ越しまして、こんにちまで相変らずこの商売をいたして居ります

「この席じゃあちっと申しにくいことですが、下谷にいる文字清という常磐津の師匠です」

になりまして……。おかみさんに訊くと、あれは神田の親分さんだというので、好い折柄と存じまして、すぐにお

「まことに失礼でございますが、お前さんは神田の親分さんじゃあございますまいか。わたくしは芝の露月町に鉄物渡世を

「年は十七で、品川の者です」

大和屋の媒妁で、和泉屋の娘分ということにして浅草の方へ縁付かせました。文字清も和泉屋へ出入りをするようになっ

を取りましたが、この婿がなかなか働き者で、江戸が東京になると同時に、すばやく商売替えをして、時計屋になりまして

「ちょうど今頃でしたね。京橋の和泉屋で素人芝居のあったのは……」と、老人は思い出した

半七はまっすぐ京橋へ向った。いくら御用聞きでも、何の手がかりも無しにむやみに和泉