半七捕物帳 27 化け銀杏 / 岡本綺堂
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年下でしょうが、いつも達者で結構です。あの人もむかしは江戸にいたんですが……。いや、それについてこんな話があるん
ですよ。いや、いくじのねえ野郎で……。江戸のまん中に化け物なんぞのいる筈がねえ。わたしなら直ぐに取っ捉まえてその化けの皮
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、茶と茶道具一切を商っている河内屋十兵衛の店へ、本郷森川宿の旗本稲川伯耆の屋敷から使が来た。稲川は千五百石の大身
にかかえ込んだ。森川宿ではどうにもならないが、本郷の町まで出れば駕籠屋がある。忠三郎はそれを的にして雪のなか
て置いて、泥だらけの忠三郎を介抱して、ともかくも本郷の通りまで連れて行って、自分の知っている駕籠屋にたのんで彼を河内屋
までも奪いとって立ち去った者はほかにあるに相違ない。本郷の山城屋金平という岡っ引がその探索を云い付けられたが、金平はあいにく病気
でもいいんです。実はね、わたしの知っている本郷の者が、このあいだの晩に森川宿を通ると、化け銀杏の下に
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水原忠三郎という人で、わかい方は息子ですが、なにしろ横浜と東京とかけ離れているもんですから、始終逢うというわけにも行かないん
「はあ、横浜の人達ですか。道理で、なかなかしゃれた装をしていると思いまし
もなく、老人の方から口を切って、水原という横浜の商人と自分との関係を説きはじめた。
河内屋は商売換えをしてしまいましたが、水原さんは横浜へ行って売込み商をはじめて、それがとんとん拍子にあたって、すっかり盛大になった
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本郷森川宿の旗本稲川伯耆の屋敷から使が来た。稲川は千五百石の大身で、その用人の石田源右衛門が自身に出向いて来たの
それを背負って屋敷から貸してくれた弓張提灯をとぼして、稲川の屋敷の門を出た。ゆう六ツといってもこの頃は日の短い
ていた。「どっちにしても、それが確かに稲川の屋敷の品だかどうだか、それをよく詮議して置かなければなり
。おまえさんがみれば間違いもなかろうが、念のために稲川の屋敷の御用人を一緒に連れて行ったらどうです。二人がみれば間違いは
です、そうです」と、半七老人はうなずいた。「稲川の屋敷でも初めから贋物をつかませるほどの悪気はなかったのですが、
「それはこういうわけです。探幽のほん物は昔から稲川の家に伝わっていたんですが、なんでも先代の頃にどこか
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菓子折を持って、無沙汰の詫びと歳暮の礼とをかねて赤坂の家をたずねると、老人は二人連れの客を門口へ送り出すところであった
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さげた男が彼のそばに立っていた。男は下谷の峰蔵という大工で、化け銀杏の下に倒れている忠三郎を発見
寒い風に吹かれながら、日の暮れかかる頃に半七は下谷へ出て行った。御成道の横町で古道具屋をたずねると、がらくたばかり
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という人で、わかい方は息子ですが、なにしろ横浜と東京とかけ離れているもんですから、始終逢うというわけにも行かないんです
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文久元年十二月二十四日の出来事である。日本橋、通旅籠町の家持ちで、茶と茶道具一切を商っている河内屋十兵衛の店へ
になっても忠三郎は顔をみせないので、半七は日本橋辺へ用達しに行った足ついでに、通旅籠町の河内屋をたずねると、忠三郎
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峰蔵は親切な男で、駒込まで行かなければならない自分の用を打っちゃって置いて、泥だらけの忠三郎
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ているので、その役割が隣りの縄張りへまわって、神田の半七が引き受けることになった。
忠三郎に安心させて、半七は神田の家へ帰ってくると、仙吉が待っていた。