半七捕物帳 18 槍突き / 岡本綺堂
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の三人を呼んで、本所の木賃宿に泊っている甲州の猟師を召捕れと云いつけた。
たんです。年は三十七八で、若いときに甲州の山奥で熊と闘って啖い切られたというので、左の耳が
のいい奴です。作右衛門の兄弟は親代々の猟師で、甲州の丹波山とかいう所からもっと奥の方に住んでいて、甲府の町すらも
説明した。「兄貴も弟も博奕がうまいんです。甲州の山奥から出て来た猿のような奴だと思って、馬鹿にし
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かげから十七八の小綺麗な娘が出て来て、雷門までのせて行けと云う。こっちも戻りだからすぐに値ができて、その
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ことのある人たちは記憶しているであろう。麹町の番町をはじめ、本郷、小石川、牛込などの山の手辺で、夜中に通行の女の
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記憶しているであろう。麹町の番町をはじめ、本郷、小石川、牛込などの山の手辺で、夜中に通行の女の顔を切るのが流行っ
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ているであろう。麹町の番町をはじめ、本郷、小石川、牛込などの山の手辺で、夜中に通行の女の顔を切るのが流行った。
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語り出した。「文化三、丙寅年の正月の末頃から江戸では槍突きという悪いことが流行りました。くらやみから槍を持った奴
をして、毎晩方々を見まわって歩いているが、なにしろ江戸は広いんでね。とても埒が明きそうもありませんよ」
いるのであった。今とは違って、その頃の江戸には竹藪のあるような場所はたくさんあった。それを根よく見まわって歩く
猿や狼を売りにくる甲州辺の猟師が、この頃も江戸へ出て来て、花町辺の木賃宿に泊まっている。かれは小博奕
か商売の獣物を売ることに就いて、兄貴の作右衛門がはじめて江戸へ出て来たのは文化二年の暮で、あくる年の春まで逗留
それは、生まれてから初めて江戸という繁華な広い土地を見て、どの人もみんな綺麗に着飾っているの
苛々した心持になって来て、唯なんとなしに江戸の人間が憎らしくなって、誰でもかまわないから殺してやりたいような気
に暮らしていると、これもなにかの商売用で初めて江戸へ出て来ることになったんです。それが文政八年の五月頃
、自分は勿論おとなしく帰る積りであったところが、扨いよいよ江戸へ出てみると土地が賑やかなのと、眼に見る物がみんな綺麗な
山へはいって猪や猿を突くたびに、なんだか江戸のことが思い出されて、とうとう堪え切れなくなって其の年の九月に又
其の年の九月に又ぶらりと出て来ました。江戸の人間こそ飛んだ災難です。それでもいよいよ運がつきて、七兵衛に召し捕ら
その兄弟は猟師でしょう」と、わたしは又訊いた。「江戸にいる間はいつもどうして食っていたんです」
さえとどこおりなく食っていればいいという風でしたから、江戸に暮らしていても幾らもかかりゃしません。そうして、暗い晩に
な人間になったのか。さびしい山奥から急に華やかな江戸のまん中へほうり出されたもので、なんだか気がおかしくなったのか。
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たちは記憶しているであろう。麹町の番町をはじめ、本郷、小石川、牛込などの山の手辺で、夜中に通行の女の顔を切るの
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のある岩蔵、民次郎、寅七の三人を呼んで、本所の木賃宿に泊っている甲州の猟師を召捕れと云いつけた。
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の方でもこっちを窺っているらしく、やがて摺り抜けて両国の方へ行こうとするのを、七兵衛はうしろから呼び戻した。
死骸を運ばせて、型の通りに検視をうけると、女は両国の列び茶屋の女でお秋というものと判った。胸の疵はやはり槍で突かれたの
衛は子分どもに云いつけて紺屋の職人を探させた。向う両国の紺屋にいる長三郎という今年十九の職人が、すぐに召捕られた。長三郎は
直な彼を、七兵衛は可愛く思った。ふたりは話しながら両国の方へ歩いてゆくと、長い橋のまん中まで来かかった時に、あたまの上を雁
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じゃあございませんかえ」と、七兵衛は笑った。「下谷の内田先生の御子息に俊之助様という方のあるのは盲でも
女装の少年は七兵衛に見あらわされた通り、当時下谷に大きい町道場をひらいている剣術指南内田伝十郎の息子であった。この夏
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とかいう所からもっと奥の方に住んでいて、甲府の町すらも見たことのない人間だったそうですが、なにか商売
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(例)麹町
みたことのある人たちは記憶しているであろう。麹町の番町をはじめ、本郷、小石川、牛込などの山の手辺で、夜中に通行
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とると後生気が出る。お宗旨じゃあねえが、今夜は浅草へでも御参詣に行こうかな」
「それがおかしい。もし、親分。浅草の勘次と富松という駕籠屋が空駕籠をかついで柳原の堤を通ると
日がくれてから七兵衛は葺屋町の家を出て、浅草の念仏堂の十夜講に行った。その途中で、念のために、
、それとこれとを結びつけて考えながら、七兵衛はそれから浅草へ行った。物騒な噂が後生ねがいの人々をもおびやかしたとみえて
。もう打っちゃっても置かれないので、七兵衛は自分で浅草へ出張って、馬道の裏長屋に住んでいる駕籠屋の勘次をたずねた。
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た。「ゆうべの五ツ(午後八時)少し過ぎに蔵前でまた殺られた」
戻りだからすぐに値ができて、その娘を乗せて蔵前の方へいそいで行くと、御厩河岸の渡し場の方から……。まあ
たんじゃねえ。そこで早速だが、お前はこのあいだ蔵前の通りで槍突きに出っ食わしたというじゃあねえか。いや、そりゃあ
「蔵前の化け猫じゃあねえか」と、七兵衛は小声で訊いた。
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やって駕籠屋に別れて、七兵衛は寒い風に吹かれながら浜町河岸をぶらぶら帰ってくると、駕籠屋のひとりが息を切ってうしろから追っ
秋の出入りを付け狙っているうちに、その夜は彼女が浜町の情夫のところへ逢いに行ったのを知ったので、帰る途中を
で、彼はひどく失望した。ことにお秋には浜町辺のある情夫が付いているのを知って、年のわかい彼は嫉妬
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いる七兵衛は小田原提灯を双子の羽織の下にかくして、神田川に沿うて堤の縁をたどってゆくと、枯れ柳の痩せた蔭から一人
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「今牛若という若先生が両国橋を歩いていらっしゃるのは、五条の橋の間違いじゃあございませんかえ」