半七捕物帳 30 あま酒売 / 岡本綺堂
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かれの決心を強めたほかの動機は、かのおそろしい蛇神も箱根を越せば唯の人間になってしまって、なんの不思議を見せることも出来
箱根を越せば蛇神の祟りはないというのも的にはならなかった。お
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人がありまして、その人の話によりますと、四国の犬神、九州の蛇神、それは昔から名高いものだそうです。嘘のよう
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に、時々にふたりの傘の上をすべって通った。雷門の方へ爪先を向けた半七は急に立ち停まった。
流れ出して来る灯のひかりは往来のぬかるみを薄白く照らして、雷門の方から跣足でびしゃびしゃあるいて来る女の黒い影がまぼろしのように浮いて
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んが、まだ二十二三の生っ白い奴です。道楽者で江戸にもいられねえんで、小間物をかついで旅あきないをしていたん
ていたんですが、去年の七、八月ごろから江戸へまた舞い戻って来て、どこかの二階借りをして相変らず小間物
どこかでお熊と馴染になって、かれを誘い出して江戸へ帰って来たが、差し当りは女の始末に困って、河内屋へ奉公に
生まれたが、放蕩のために身代をつぶして、一旦は江戸を立退くこととなった。やはり小間物の荷をかついで、旅あきないに諸国を
ないと幾分か安心して、かれはお熊と共に江戸へ帰った。九州の蛇神も江戸の土を踏めば唯の女になった
はお熊と共に江戸へ帰った。九州の蛇神も江戸の土を踏めば唯の女になったらしく、気のせいか彼女の瞳
の担ぎ商いをしている現在の男の痩腕では、江戸のまん中で女と二人の口を養ってゆくのがむずかしいので、相談ずく
た。お綱はわが子のゆくえを尋ねて、九州から江戸まで遙々と追って来たのであろう。その強い執着心を思いやると、徳三郎は
済みました。そうして、もう一度旅へ出るつもりで江戸をはなれますと、神奈川に泊まった晩からまた俄かに大熱を発して、とうとう
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て、もう一度旅へ出るつもりで江戸をはなれますと、神奈川に泊まった晩からまた俄かに大熱を発して、とうとうその宿で藻掻き死にに
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その事情を察して内分にすることにしましたが、八丁堀の旦那にだけはひと通り報告して置きました。徳三郎はこれぞという科
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は毎日おなじ家へ仕入れに来ないらしい。最初のうちは本所四ツ目の大坂屋という店へ半月以上もつづけて来たが、その後ばったり
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して、かれはお熊と共に江戸へ帰った。九州の蛇神も江戸の土を踏めば唯の女になったらしく、気のせい
ならなかった。お綱はわが子のゆくえを尋ねて、九州から江戸まで遙々と追って来たのであろう。その強い執着心を思いやると、
どういうものかよく判りませんが、わたくしの懇意な者に九州の人がありまして、その人の話によりますと、四国の犬神、
て、その人の話によりますと、四国の犬神、九州の蛇神、それは昔から名高いものだそうです。嘘のようなお話です
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、旅あきないに諸国を流れ渡っているうちに、彼は京大阪から中国を経て九州路まで踏み込んだ。そうして、ある城下町にしばらく足
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から吾妻橋の方角へ、大川端をぶらぶらと歩いてゆくと、向島の桜はまだ青葉にはなり切らないので、遅い花見らしい男や女
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もいられないので、半七はどこをあてとも無しに神田の家を出て、百本杭から吾妻橋の方角へ、大川端をぶらぶらと
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若い者のひとりが見えがくれにそのあとを尾けると、かれは浅草の方角に向って遅々とたどって行った。しかしどこまで行っても際限
、なんでも五、六日まえの午過ぎだそうです。浅草の馬道に河内屋という質屋があります。そこの女中のお熊という
、徳三郎は初めて一切の事情をとぎれとぎれに申し立てた。彼は浅草で相当な小間物屋の伜に生まれたが、放蕩のために身代をつぶし
。二月のなかばの夕方に徳三郎が商売から帰る途中、浅草の広徳寺前でひとりの婆さんがあま酒の固練りを売っていたが