伊豆 鎌倉 宇治川 大津

修行のために陸奧へ下り、歸り途には鎌倉より伊豆をめぐりて、これより歸山の道中でござる。

）斯くしてやう／＼馬を得たれば、無事に伊豆まで乘りつけて、おなじ月の十七日には八牧の屋形を攻めほろぼし、源氏再興

、諸國修行のために陸奧へ下り、歸り途には鎌倉より伊豆をめぐりて、これより歸山の道中でござる。

智山　　あたかも鎌倉の將軍が上洛の道筋とて、宿々は以てのほかの混雜、われ等のやうな

高綱　　して、鎌倉の同勢にはどこらあたりでお逢ひなされた。

定重　　鎌倉の將軍頼朝公がはじめての御上洛、武藏相模は申すにおよばす、海道の

高綱　　おゝ、不承知ぢやよ。鎌倉の將軍がなんぢや。頼朝がなんぢや。あの大がたりの大嘘つきめが…

とひ叔父上に十分の道理がござりませうとも、いまさら鎌倉の將軍を相手取つて、理非を爭ふなどとは及ばぬこと。どの

智山　　鎌倉の將軍にも頭をさげぬ佐々木殿が痩法師の馬の口を取らるゝ

たる生月ぢや。そちも定めて存じて居らう。かの宇治川の合戰に、梶原の磨墨に乘り勝つて、殿が先陣の功名させ

智山　　冬の日のくれぬうちに大津の宿まで。