半七捕物帳 66 地蔵は踊る / 岡本綺堂
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ず、あるとも云えねえ。ともかくも念のために、小石川へ踏み出してみよう。現場を見届けてからの分別だ」
八月である。足の早い二人が江戸川端をつたって小石川へ登った頃にも、秋の夕日はまだ紅く残っていた。高源寺は
五ツ半(午前九時)頃に二人は再び小石川へ出向いた。その途中で何かの打ち合わせをして、高源寺の門前に行き着く
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斯うです」と、老人は語り始めた。「林泉寺は茗荷谷ですが、それから遠くない第六天町に高源寺という浄土の寺がありました。
門前町のはずれに住んでいる塩煎餅屋のおかみさんが、茗荷谷の方へ用達しに出ると、その途中で花星のお住を見かけた
いけねえ。ひと月ほど前に、おめえが姉さんと一緒に茗荷谷を歩いていたのを、おれはちゃんと見ていたのだ。その姉
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いるのです。縛られ地蔵は諸国にあるようですが、江戸にも二、三カ所ありました。中でも、世間に知られてい
た事はないと申し立てた。その風俗をみても、江戸の者でないらしい事は判っていた。女は木綿の巾着にちっとばかり
彼女は、去年の暮ごろに江戸へ帰って、十余年ぶりで高源寺をたずねて来たが、物堅い定吉は
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で、亀。おれはこれから真っ直ぐに帰るから、おめえは門前町をうろ付いて、あの寺の奴らについて何か聞き込みはねえかどう
…。なんでもひと月ほど前の事だそうで、門前町のはずれに住んでいる塩煎餅屋のおかみさんが、茗荷谷の方へ用達し
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「源右衛門は二十五歳、秩父の大宮在の生まれでござります」
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亀吉は話し出した。「住職の祥慶というのは京都の大きい寺で修行したこともあって、なかなか学問も出来るし、字
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は世間の信仰もあるまいという延光の意見で、深川寺の石屋松兵衛という者に頼みまして、一体の地蔵尊を作らせ、
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半七が子分と二人づれで、神田三河町の家を出たのは、二十四日の七ツ(午後四時)
かの小遣いを亀吉に握らせて、半七は別れた。神田へ帰る途中で、半七は地蔵堂の抜け道について考えた。寺男の源右衛門
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「源右衛門は二十五歳、秩父の大宮在の生まれでござります」