有楽町 東京 上野 鶯谷

制限時間はすぎているのに、電車が来なくて有楽町の駅の群集は、刻々つまって来た。

人々の顔が、こちらを向いている。ああこれが、有楽町か、という心もちの動きの出ている眼もないし、ひどい人だ

「ああ。百円じゃいやだというそうだ。東京じゃ米で買う奴が多いらしいね」

上野へ来た。「降りますよウ」

。しかし、エンジンの工合が損じ、ドアは開かないまま、上野を出てしまった。

鶯谷へついたとき、人々はせき立って、窓から降りはじめた。男たち