半七捕物帳 44 むらさき鯉 / 岡本綺堂
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の舞台は江戸川です。遠い葛飾の江戸川じゃあない、江戸の小石川と牛込のあいだを流れている江戸川で……。このごろは堤に
。水の音がどんどんと響くからどんどんというので、江戸の絵図には船河原橋と書かずにどんど橋と書いてあるのもある位
いくらもあったものです。天下の役人がこの始末、まったく江戸も末でしたよ」
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は江戸川です。遠い葛飾の江戸川じゃあない、江戸の小石川と牛込のあいだを流れている江戸川で……。このごろは堤に桜を
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今では高山という銀座役人の囲いものになって、牛込の赤城下にしゃれた家を持って贅沢に暮らしている。銀座役人は申す
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は高山という銀座役人の囲いものになって、牛込の赤城下にしゃれた家を持って贅沢に暮らしている。銀座役人は申すまでも
無いことが判りました。御承知かも知れませんが、赤城下はその以前に隠し売女のあったところで、今もその名残で一種の
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来たのであると彼は云った。念のために神田の上州屋を調べると、果たして為次郎は宵から悔みに来て、四ツ
かれはどうしても覚えがないと云い張った。ゆうべは神田の上州屋という同商売の店に不幸があったので、その悔み
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出て行ったのは四ツを少し過ぎたころで、市ヶ谷八幡の鐘が夜の八ツ(午前二時)を撞いてからもう小
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て贅沢に暮らしている。銀座役人は申すまでもなく、銀座に勤める役人ですが、天下通用の銀を吹く役所にいるだけに何か
赤城下にしゃれた家を持って贅沢に暮らしている。銀座役人は申すまでもなく、銀座に勤める役人ですが、天下通用の銀を
かけていた踊りの師匠で、今では高山という銀座役人の囲いものになって、牛込の赤城下にしゃれた家を持って
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、堰は低く出来ていて、水はそれを越して神田川へ落ち込むようになっているが、なにしろあれだけの長い川が一旦ここで