千鳥ヶ淵 番町 江戸 神南 東京 麹町

も思われる大溝が、狭く長い横町の北側を流れて、千鳥ヶ淵の方向へ注ぎ入ることになっている。その横町を江戸時代には俗に鬼婆

「番町の番町知らず」という諺さえある位であるから、番町の地理を説明

の番町知らず」という諺さえある位であるから、番町の地理を説明するのはむずかしい。江戸時代と東京時代とは町の名称が

れるはずであるから、現代の読者に対して江戸時代の番町の説明をするなどは、いたずらに人をまご付かせるに過ぎないことになる

その理由で、わたしはここで番町という土地の変遷などについて、くだくだしく説明することを避けるつもりであるが

、その横町に鬼婆の名がかぶせられたのである。江戸が東京とかわった後、その大溝はよほど狭められ、さらに震災後の区劃整理に

いる者が、近道を取るために通りぬけるのであるから、神南、堀口、森積の三人以外に、誰がその道を通るかと数えると

が通夜であるというので、高原の余一郎や、神南や森積は勿論、かるた会の仲間たちも昼間からみな寄り集まっていた。高原

から、番町の地理を説明するのはむずかしい。江戸時代と東京時代とは町の名称がよほど変っている。それが又、震災後の区劃

横町に鬼婆の名がかぶせられたのである。江戸が東京とかわった後、その大溝はよほど狭められ、さらに震災後の区劃整理によっ

濠端一番町を含み、上二番町と下二番町は裏二番町通り、麹町谷町北側、表二番町通り南側を含み、五番町は濠端一番町の一部と五番町を

残っている。その二日目の十五日の夜に、麹町谷町の北側、すなわち今日の下二番町の高原織衛という旗本の屋敷で、

かと聞くと、いつの頃のことか知らないが、麹町通りの或る酒屋へ毎夕ひとりの老婆が一合の酒を買いに来る。

ような怪談が伝えられている。天明五年の頃、麹町に十兵衛という飴屋があって、平素から正直者として知られて

三町目谷の坂下へ来かかると、麹町通りの方から雪を蹴るようにして足早に降りて来る人々があっ