口縄坂 大阪 西陣 名古屋 東大寺 高津 近畿地方 敦賀 ハワイ 神戸 奈良 京都 福島 新潟 品川 東京

は、大阪の下町的な匂いも持っている。さて、口縄坂とはくちなわ（蛇）坂とでもいうべきであろう。口縄坂は緑

私はまず集中的に一つの（私好みの）大阪の町を語った。いわば物語は時間によって進行せず、町の地理

といっても良いかも知れない。次に私は、大阪（町）、京都、奈良、神戸という四つの都会を描いてみた

大阪は木のない都である。しかし例えば、晴れた日に下寺町附近に立って

の町であるが、さすがにその附近一帯の町は、大阪の下町的な匂いも持っている。さて、口縄坂とはくちなわ（蛇

車掌「大阪で降りられます」（丁寧に言う）

一一　中瀬古家（庄平の家）の一室（――大阪）

賛成して下すったのでね、実は今日これから直ちに大阪へ帰って府庁の厚生課へ行って……というのは、親爺が

、私はこの間交換船で帰ってから、奈良、京都、大阪と、転々と移っているその仏像のあとを追うて来たんですの」

近畿地方の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり示している。

青木（起って）「大阪、神戸、京都、奈良です」

初枝「この四つの都会のうち、大阪、神戸は日本の生産力の中心地で……」

夜店出し「大阪からずっと立ち通しやったんや。こゝにいるとは気がつかんかったな」

船山「はッ、もう西陣で織物をやってる時代やないと思いまして……」

新吉「僕、あした名古屋の工場へ働きに行くんです、怪我したと判ったら、お父っちゃん余計

鶴三「それならいゝが。明日は名古屋の工場へ行くんだ。どこも痛い所のないようにして行かなくっちゃ

鶴三「直ぐ工場へ帰れ！　お父っちゃんが名古屋まで送ってやる（十吉に）蜂谷さん済みませんがあんた、急行券二枚…

十吉「よし来た、名古屋までだな、駅で待ってるよ」

鶴三「葉子、お前も行くんだ、一緒に名古屋へ行って一家総掛りで働こう……善は急げだ、明日発とう」

夜店出し「名古屋までや」

鶴三「誰か名古屋の親戚でも死んだのかね」

夜店出し「阿呆らしい、働きに行くんや、名古屋の工場へ」

一四　東大寺大仏殿。

例えば、晴れた日に下寺町附近に立って、北より順に高津の高台、生玉の高台、夕陽丘の高台を仰げば、そこには何百年

黒板に近畿地方の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり

初枝「近畿地方には四つの大きな都会があります、知ってる方は手をあげて」

て）「米原。米原。五分間停車、北陸線乗換え、敦賀、直江津、新潟方面行の方は右の階段を登って、三番線の

駒を並べながら）「父に教わりましたの、私達はハワイの田舎にいたものですから、将棋をする相手がなくって、それで私

庄平「ハワイ仕込みの将棋ですな」

と、呼ばれる。振り向くと辻節子だ。（ハワイ帰りのお嬢さん）

（このひとハワイ帰りに似合わず、どこか淋しい翳がある）

の家に先祖代々伝っていた物ですが、父がハワイへ渡る時、奈良の骨董屋へ売ってしまいました、父は昨年なくなりました

昨年なくなりましたが、その時の私への遺言に、ハワイへ来てから、始めて先祖代々の品を売払った事を後悔した、

失礼だが、あなたはお父様はおられないようだし、ハワイから帰って一人ぽっちで居られると、やはりあれだしね、ま、お金は

。次に私は、大阪（町）、京都、奈良、神戸という四つの都会を描いてみた。そして、この四つの都会

庄造「貰えというのは、わたしの友人で神戸の造船所の技師長をしている男の娘さんだが、まあ、当代稀

庄平「で、いよ／＼今日神戸の工場へ行くという訳だな」

庄平「うん、そのうち神戸へ行ってやるよ。お前の身体を一度診察してやろう」

有難うございます、もう身体の方は大丈夫や思いますけど、神戸の工場へ軍医殿がおいでやすのは嬉しいであります」

の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり示している。

青木（起って）「大阪、神戸、京都、奈良です」

初枝「この四つの都会のうち、大阪、神戸は日本の生産力の中心地で……」

！　米原ァ！　二十二時五十八分発二三等急行神戸行き！」

三六　神戸のある工場。

船山「はッ、有難うございます、わざ／＼神戸迄来て頂いて」

五九　神戸の工場の芝生。

知れない。次に私は、大阪（町）、京都、奈良、神戸という四つの都会を描いてみた。そして、この四つ

節子「昨日汽車の中でお眼に掛って、今日また奈良でお会いするなんて、本当に奇遇ですわ」

関急電車に乗ってしまったので、着いてみると奈良だったという訳です」

庄平「いや、別に何処と言って。実は奈良へ来る積りじゃなかったんです、京都へ行く積りで京阪電車に乗った筈

まあ……私はまた迷子にばっかしなってるんですの、奈良は初めてですから」

庄平（寄って行き）「奈良の地図ですか、一寸（と言って地図を横取りし）――そう

京都でお会い出来るとは思いませんでしたわ、昨日奈良でお眼に掛ったばかしですもの」（とこれも少し大きな声で言う

伝っていた物ですが、父がハワイへ渡る時、奈良の骨董屋へ売ってしまいました、父は昨年なくなりましたが、その時

節子「で、私はこの間交換船で帰ってから、奈良、京都、大阪と、転々と移っているその仏像のあとを追うて来

黒板に近畿地方の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり示している。

青木（起って）「大阪、神戸、京都、奈良です」

かも知れない。次に私は、大阪（町）、京都、奈良、神戸という四つの都会を描いてみた。そして、この

庄平（声だけ）「明日は京都へ行って、大橋先生に相談して来ようと思うんです、今度の仕事

言って。実は奈良へ来る積りじゃなかったんです、京都へ行く積りで京阪電車に乗った筈が、うっかり関急電車に乗ってしまっ

一六　京都。

節子「京都でお会い出来るとは思いませんでしたわ、昨日奈良でお眼に

「で、私はこの間交換船で帰ってから、奈良、京都、大阪と、転々と移っているその仏像のあとを追うて来たん

黒板に近畿地方の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり示している。

青木（起って）「大阪、神戸、京都、奈良です」

福島少佐シベリヤ行の歌だ。

十吉、歌をうたいながら歩いて行く。福島少佐シベリヤ行の歌。

。米原。五分間停車、北陸線乗換え、敦賀、直江津、新潟方面行の方は右の階段を登って、三番線の列車にお

十吉（平気な顔をして）「文久三年に品川沖でアンタという名の鯨がとれた事がある、こんな髭を生やし

十七分、十六時五十分発二三等急行東京行き！　東京行き！　この列車にお乗りの方は……」

、乗換時間は十七分、十六時五十分発二三等急行東京行き！　東京行き！　この列車にお乗りの方は……」