大阪 京都 東京 麹町 銀座

武田さんは大阪の出身という点で、私の先輩であるが、更に京都の第三高等学校

た。たぶん武田さんが自分でそんなデマを飛ばし、それが大阪まで伝わって来たのではないかと思った。だからこんどの急死も

去年の三月、宇野さんが大阪へ来られた時、ある雑誌で「大阪と文学を語る座談会」をやった

あった。宇野浩二――川端康成――武田麟太郎、この大阪の系統を辿って行くと、名人芸という言葉が泛ぶ。たしかに、宇野、

宇野、川端以後の小説上手は武田麟太郎であった。この大阪の系統が文壇に君臨している光景は、私たち大阪の末輩にとっては

この大阪の系統が文壇に君臨している光景は、私たち大阪の末輩にとってはありがたいことであった。宇野、川端以後の武田麟太郎―

の出身という点で、私の先輩であるが、更に京都の第三高等学校出身という点でもまた私の先輩である。しかも、

推薦してくれたことは、速記に明らかである。当時東京朝日新聞でも「唯一の大正生れの作家が現れた」という風に私

すすり泣きがどこかに聴えるような小説であった。「田舎者東京を歩く」というような文章を書いていた。芯からの都会人で

の絶筆になってしまったが、この小説をよむと、麹町の家を焼いてからの武田さんの苦労が痛々しく判るのだ。不逞不逞しいが

いる。が、武田さんは「日本三文オペラ」から「銀座八丁」のリアリズムを通って、遂に「雪の話」一巻の象徴の

話が出た。宇野さんは武田さんのものでは「銀座八丁」よりも「日本三文オペラ」や「市井事」などがいいと

を語る座談会」をやった。その時、武田さんの「銀座八丁」の話が出た。宇野さんは武田さんのものでは「銀座