踊る地平線 08 しっぷ・あほうい! / 谷譲次
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すぐ鼻っ先の大きな羅馬字を綴ってた。この船にはアマゾンのにおいがする。船名、がるしあ・もれの号。船籍、ブエノス・アイレスと白
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だからリスボンの波止場では、全的にそう受け入れられていた支那公ロン・ウウの僕
だ。僕の心の眼を、光栄ある発見狂時代のリスボンの半熱帯的街景がよぎる。フェニキア人の頃から、何とたくさんの黒人
一頁を読むように詳細に一眼だった。つまり、リスボンの出入港は、海事局・水上警察・税関よりも先に、逐一この女魔
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両国共通の言語でちょっとこんな判じ物みたいな小景が出来るくらいだ。
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女」と自己広告することにきめてるから、面白い。つまり巴里の売春婦で眼の黒い女・碧い女・茶色の女・髪の毛の黒い女
「自称ふらんす女」と同一の心理と理由から、本場の巴里では、言い合わしたようにことごとく「西班牙女」と自己広告することにきめ
巴里女なんて、そんな原始的に荒っぽい冒険家じゃあないんで、たとえば巴里市内の娼婦だって、大部分はチェッコ・スロヴァキアの女・波蘭土の女・
とっては飛んだ迷惑だろう。だいたい仏蘭西の女、ことに巴里女なんて、そんな原始的に荒っぽい冒険家じゃあないんで、たとえば巴里市内の娼婦
・あるとあたりで船乗りの相手をしてる「ふらんす女・巴里っ児」は、テレサをはじめ、このとおり十中の十までFAKEである。
そも何人の異国の水夫に、めいめいこの「あわただしい戦時の巴里」を背景に最後は必ず「親切なあなたにもっと早く会わなかった」こと
によく似合う。洒落た喪服姿が完全にわたしをそのころ巴里をうずめつくした「大戦未亡人」のひとりにして、戦後のゆるんだ気もち
これでもじぶんも元は「銀の匙を口」に巴里の名家に長女と生れた身の上だったが、二十歳の春に、十も
が、ぶるがりあの女が、揃いもそろって仏蘭西生れ、巴里うまれであったことよ! この売春婦の非公式ふらんす帰化の心理には、
の土地で、売春婦というと、片っぱしから自称ふらんす女・巴里おんなにきまってる。近いためしが、このりすぼあのバイロ・アルトだけでも
売春婦が、売春婦になると同時にふらんす女――ことに巴里から流れてきた――をもって自任し出すんだろう? 眼の
は生え抜きの――流行雑誌のもでると、一九二七年度の巴里の俗歌以外には仏蘭西なんかその smell も知らない――ほるつがる人
の交尾してる小さな焼物。一種の護符的置きもの。これは巴里のサクレキュウルのそばでも売ってるが、じつは日本出来である。どうやら