鹿児島市 佐世保 四国 博多 桜島 本郷 鹿児島 千葉 広島 東京

鹿児島市は、半ば廃墟となっていた。鉄筋混凝土の建物だけが、外郭だけその

、出口の崖によりかかり、暫く待っていた。対岸の鹿児島市は、相変らず一二箇所、静かに焔を上げていた。もはや消す気

行くのを楽しみに、恩給の計算したり、退役後は佐世保の山の手に小さな家を建てて暮そうなどと空想してみたり。人間の、

「終りました。四国の踊りであります」

男である。二十三四歳に見えた。先日、博多が空襲にあった際、博多武官府にいたと言う。その時の話

府にいたと言う。その時の話をした。博多は、私の古里であり、博多にいる私の知己や友人のことを思い

の話をした。博多は、私の古里であり、博多にいる私の知己や友人のことを思い、心が痛んだ。

桜島

応召するまで私が住んでいた本郷のことや、また友達のことが、突然のようにはっきり頭に浮んで来

風が私の瞼にあたる。海の向うにはくろぐろと鹿児島の市街があり、そのひとところが赤い焔をあげて燃えていた。疲労

「鹿児島方面に退去。ええ、退去しました」

――先刻、夕焼の小径を降りて来る時、静かな鹿児島湾の上空を、古ぼけた練習機が飛んでいた。風に逆っている

、重量ある柱であった。その下に、鹿児島西郊の鹿児島航空隊の敷地が見え、こわれた格納庫や赤く焼けた鉄柱が小さく見えた。

に奔騰する、重量ある柱であった。その下に、鹿児島西郊の鹿児島航空隊の敷地が見え、こわれた格納庫や赤く焼けた鉄柱が小さく

「鹿児島には、昔、土蜘味という種族がいたらしいですね。熊襲みたい

鹿児島の新聞社が焼けてからというものは、此の部隊に新聞は入って居

らしかった。船団は明かに東京方面を目指していた。千葉海岸あたりに殺到し、一挙に東京を攻略するのではないか。それ

「広島」

を目指していた。千葉海岸あたりに殺到し、一挙に東京を攻略するのではないか。それはあり得ないことではなかった

、日本中に錯綜しているらしかった。船団は明かに東京方面を目指していた。千葉海岸あたりに殺到し、一挙に東京を攻略

（東京都民は、今頃何も知らずに眠っているだろう）

（もし東京に上陸するならば、桜島にいる私はたすかるのではないか？）

「君は、東京かね」