花園町 エッフェル塔 新宿 八王子 東京 泉岳寺 渋谷

と応諾しました。不破が連れて行ったのは、花園町のあるウナギ屋の二階です。不破は革財布を掌でパタパタと叩きながら、

「ねえ。エッフェル塔から飛び降りるような気持で言うが、立退き料を四万まで出そう。四万だよ

して、出口の方をにらみつけるようにした。電車は新宿終点に停止しかかっていたのです。

た。昼飯も抜いてかけ廻り、夕方がっくりした気持で新宿の外食券食堂でメシを食いながら、借り集めた金を勘定してみると、

そこで僕も自衛上余儀なく、新宿のガード下に出かけ、チョンマゲを結った変な爺さんから、竹製の孫の手

です。僕はびっくりして立ち上った。当時僕の家は八王子にありまして、早いとこ行かねば電車がなくなってしまうからです。

を送りがてら家に泊りに来いと言う。時刻からみて八王子行きの終電は出たあとらしいし、僕も少々酔ってどうでもいい

住んでいたのですが、東京には遠いし、また八王子の家は手狭で画を描くにも不便だし、いずれは東京で部屋

たのか、それも忘れてしまった。しかし僕は当時八王子の親爺の家に住んでいたのですが、東京には遠いし、

話ですな。で、その日は不破家をおいとまして八王子に帰り、親爺を口説いて四万円出して貰いました。親爺も四万と

世帯道具や画の道具一式をオート三輪に積みこんで、はるばる八王子から代田橋にバタバタバタと引越して来ました。世帯道具の方は不破にならっ

一万円足りない。メシを食い終えて直ちに中央線に乗り、八王子にすっ飛んだ、あとの頼みはオヤジばかりです。運よくオヤジは在宅して

「八王子のオヤジんとこに行って来た」と僕は嘘をつきました。

家は手狭で画を描くにも不便だし、いずれは東京で部屋を借りて独立しようという気持はあったのです。この家の

当時八王子の親爺の家に住んでいたのですが、東京には遠いし、また八王子の家は手狭で画を描くにも不便だ

僕は朝早く起き出て、急いで朝飯を食い、それから東京中を飛び廻って、あらゆる先輩知己を訪問し、借りられるだけの金を借り

にもこと欠いて、奄美大島とは驚きましたな。もし東京近辺にいるんだったら、僕が直接おもむいて不破に会い、権利書を

「先祖のお墓って、なにも赤穂まで帰らずとも、泉岳寺にあるじゃありませんか」

「わたしは台湾生れで、現在渋谷の方で中華飯店を経営しております」と陳さんは茫漠たる笑顔

通の手紙がヒラリと舞い込みました。裏を返すと、渋谷・陳根頑と記してある。宛名は僕と野呂の連名です。急い