挿話 / 徳田秋声

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地名一覧

四国

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んです。嫁さんも御主人の親類筋の人で、四国でいい船持ちだということです。庄ちゃんなんか行って、私をむずかしい女

大阪

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を取ろうという算段であった。兄の家では、大阪から見舞いに来ていた、××会社の重役である嫂の弟が、

た。お絹はもう長いあいだ独身で通してきて、大阪へ行っている大きな子息に子供があるくらいだし、すっかり色の褪せた、

や劇場のことなぞも知っていた。最近では去年大阪にいる子息のところへしばらく行っていたので、その嫁の姻戚でまた

、「わたし一反だけ羽織にしようかと思って。やがて大阪へ行かんならんさかえ。どっちも四十円がらみのもんや」

「私も大阪へ行きさえすれば、こんなことしていないでもいいのやけれど、ここ

「大阪の方はよほどいいのかね」

「けれども、たまに行けばお互いに懐かしいが、大阪の家だって、長くいればおもしろい日ばかりは続かないだろう」

「月々大阪からいくらか仕送ってもらって、こっちで暮らすわけにゆかない。商売するにし

「姉さんは大阪へ行けばいいんです。それこそ気楽なもんや。こんな貧乏世帯を張って

京都

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「ああすっかり零落れてしまいました。今は京都でお茶の師匠をしているそうですが……」

森さんはまたお茶人で、東京の富豪や、京都の宗匠なぞに交遊があったけれど、高等学校も出ているので、宗匠

いう女の例を二つ三つ挙げると、最近客と京都へ行っていて、にわかに気の狂った近所の女の噂で、

開いて町の茶人だちと、趣向を競った話や、京都で多勢の数寄者の中で手前を見せた時のことなどを、座興的

松山

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「ああ、松山さんでしょう。あの体の大きい立派な顔の……二三日前に聞きまし

出るようなことも言っていたようです。こっちには松山の伯父さんもいられるし、これもうんと力瘤を入れているように吹聴

「松山の伯父さんの病気見舞いといって、出てきたんですけれど」ふみ

「二度ばかり、松山の伯父さんとこへお尋ねしたそうですが、青木さんが叔父さんに

神戸

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までこんなこともしていられないんです。働けるうちに神戸へ行って子供の守でもしてやらなければ」そして彼女は汚れた

東京

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から、病気が長引くとみて、必要なものだけひと鞄東京の宅から送らせて、当分この町に滞在するつもりであったが、

に埃のついた白足袋を脱いでいたが、彼も東京で修業したある種類の芸術家なので、この町の多くの人が

から、先でも買い被っていたに違いないんです。東京へ言ってやりさえすれば、金はいくらでも出るようなことも言っ

「そうね。出してもらおうか」道太は東京を立つ時から繃帯をしていた腕首のところが昨日飲みすぎた酒

森さんはまたお茶人で、東京の富豪や、京都の宗匠なぞに交遊があったけれど、高等学校も出て

「辰之助が当然遠慮していいんだ。東京でいいものを見てきたのだから」道太は言った。

と思うと、明朝はまた変わるといったふうだから、東京へ帰って、また来るようなことになっても困る」

「やがて片づくでしょうが、今東京から電報が来まして、りいちゃんが病気だそうだ」辰之助は緊張し

そういう疑いも起こった。ここへ来てから、彼は東京へ一度しか音信をしていなかった。しかしその疑いは何の理由の

あるのも変だな」道太は呟いたが、何か東京の方へ通信があって、それで呼び返すための電報じゃないかと、

神田

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「神田で生れたんですもの。なかなか気前のいい妓や。延若を喰わえだし