モスクワ 上野公園 八王子市 上野 東京 日本橋 大手町

メーデーの日、モスクワの街々は、かえって深閑としている。あらゆる人群は、モスクワの中央部

街々は、かえって深閑としている。あらゆる人群は、モスクワの中央部へ、赤い広場へと注ぎこまれて、すこし離れた街筋は、人気

先頭を切ったのは簡易保険局の女子職員で、この間モスクワのメーデーと写真に紹介されたとおり、奇麗な花束を一人一人が抱えて行進

た。私たちは江戸橋のそばに佇んで、昭和通りを上野公園に向って行進して来るメーデーの行列を迎えた。行進して来る組合

行進の身仕度で、握り飯をもってでかけた。二人は八王子市のメーデーに行くのであった。

これは東京の中心ばかりでなく、八王子市を、三時間余もねり歩いた行進の中にも、若い働く婦人たちが

ほど、胡散くさい背広の男たちにつきまとわれた。行進が上野の山へ集合した頃、私たちは群集におされながら、松坂屋の先

行進がはじまっている。宮城前広場から、ここを通って上野へ行くのは、城東地区の組合である。隊伍堂々とプラカードをかかげて

五月一日の朝があけてみると、東京は小雨がおちて、風も相当にある。うちでは、一人が前日

蜒々たる隊列は、標語板を林のようにゆるがせながら東京の焼け跡の街を押して来る。大手町の方を眺めると、歌声のとどろき

に、往来で見物している人の数はいたって少ない。東京の人口が、もとからみると減っている。それもあるが、しっかりと

これは東京の中心ばかりでなく、八王子市を、三時間余もねり歩いた行進の中に

できない。けれども、時刻を見はからって、東京駅の横から日本橋へでる街角へ行った。

のとどろきと旗の波が刻々増大し、つきぬ流れは日本橋へ向っている。女のひとも、どっさり今日は行進している。目

ようにゆるがせながら東京の焼け跡の街を押して来る。大手町の方を眺めると、歌声のとどろきと旗の波が刻々増大し、つき