鶴見 京浜 横浜 松山 銀座 東京 浅草

として、長谷川時雨さんの妹さんがやつてゐる、鶴見の花香苑があつた。確か六月の事だつたが、いつもの通り其処

も腰もよく定つては居なかつたが、丁度、鶴見の舞踏場拡張の祝賀ダンスだつたので、図々しく其の中に交つて、

てゐるに過ぎない。私の見る所では、此の広い京浜間でも、内外人取交ぜて五百人とは居ないやうな気がする

踊つてゐるのなぞも、美しい図ですね。それから横浜から来る領事の子供とかで、十七八になる姉娘と十五六の

それから矢張り横浜の或る医師のお嬢さんで、必ず両親の中の誰かに附き添われながら、

と、後から、追ひ越して来た松山君が、

やがて蓄音器をかけて、松山君と其の人たちが踊り始めた。其の踊りの第一印象は、「何だ

出て行つて向ひ合つた。そして見やう見真似と、松山君に鳥渡教へて貰つた通りの作法で、夫人の右手を自分の左手

へ行くのは、何だか惜しい気がするが、結局銀座でもぶら／＼歩いて、時を消す外ないと思つてゐた。

や雑用で、どうも原稿の書けなかつた私は、よく東京近郊の宿屋へ出かけて、其処で月々の仕事を片付ける事にした。

が付く。要は踊る『人』の問題だ。私は浅草あたりに、一つ民衆ダンス場を拵へたいとさへ思ふ。ダンスは由来