入れ札 / 菊池寛
地名一覧
秩父
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「俺、秩父の方へ落ちようかな」
の誰とも顔を合しているのが厭だった。秩父に遠縁の者が居るのを幸に、其処で百姓にでもなってしまい
赤城
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に出ていた。ふと振り顧ると、今まで見えなかった赤城が、山と山の間に、ほのかに浮び出ていた。
心を苦しめていることは、乾児の始末だった。赤城へ籠った当座は、五十人に近かった乾児が、日数が経つに連れ
、何の拘泥もなく云える筈だった。が、忠次は赤城に籠って以来、自分に対する乾児達の忠誠をしみじみ感じていた。
草津
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姿が見えなくなると、四五人は諦めたように、草津の方へ落ちて行った。
彼は、草津へ行った連中とは、反対に榛名の西南の麓を目ざして、ぐんぐん山
「俺、よっぽど草津から越後へ出ようと思ったが、よく考えてみると、熊谷在に伯父が
熊谷
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みると、熊谷在に伯父が居るのだ、少しは、熊谷は危険かも知れねえが、故郷へかえる足溜りには持って来いだ。それ
渋川
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渋川から、伊香保街道に添うて、道もない裏山を、榛名にかかった。一日
赤城山
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上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠次一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると
「赤城山も見収めだな。おい、此処いらで一服しようか」
四十年見なれた懐しい山の姿に囚われていた。赤城山が利根川の谿谷へと、緩い勾配を作っている一帯の高原には、彼
日光山
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そうしているうちに、半時ばかり経った。日光山らしい方角に出た朝日が、もう余程さし登っていた。忠次は、黙々