美濃国 越前 元興寺 薩摩 尾張国 叡山 仁和寺 京都 大宮

昔、美濃国、小川の市に力強き女があった。身体も人並はずれて大きく百人力と

ある時、越前の佐伯氏長が、その国の選手として相撲の節会に召されること

「いや、自分は越前の者であるが、今度相撲の節会で召されて参るものである」と

女は、きわめて小柄の女であった。大力の聞え高い元興寺の道場法師の孫に当っていた。この尾張の女が、美濃狐の

をきいたが、少しも驚かず（音にきく昔の薩摩の氏家なら妹を質にとられようが）と、すましている。村人は、

いろいろな品物を奪いとっていた。ところが、同じ時に尾張国片輪の里に力強き女がいた。この女は、きわめて小柄の女で

ついでに、男の方も二、三人書いておく。叡山の西塔に実因僧都という人がいたが、この人が無類の大力で

、神社仏寺の事務総長をも云うのである。ある時仁和寺が修理工事を始めていた頃の話である。

その頃、東国から大番（京都守衛の役）のために上京する武士達が、日高い頃に、か

）と云う。それはありがたいと、云って負われると、大宮二条の辻まで行って、（ここで降りてくれ）と云う。僧都