逢坂山 桂川 大阪 平安神宮 江戸 京都

ものは、お半長右衛門のように桂川まで辿って行くか、逢坂山を越え琵琶湖へ出るか、嵯峨の広沢の池へ行くよりほかに仕方がなかっ

しても水死をしたいものは、お半長右衛門のように桂川まで辿って行くか、逢坂山を越え琵琶湖へ出るか、嵯峨の広沢の池

な身投げ場所のないために、自殺者の比例が江戸や大阪などに比べて小であったとは思われない。

と分かれようとするところに、この橋がある。右手には平安神宮の森に淋しくガスが輝いている。左手には淋しい戸を閉めた家が

。適当な身投げ場所のないために、自殺者の比例が江戸や大阪などに比べて小であったとは思われない。

ものの本によると、京都にも昔から自殺者はかなり多かった。

に考えた者には気のつくことである。ところが京都にはよい身投げ場所がなかった。むろん鴨川では死ねない。深いところで

ともかく、京都によき身投げ場所のなかったことは事実である。しかし人々はこの不便を

、琵琶湖の水を京に引いてきた。この工事は京都の市民によき水運を備え、よき水道を備えると共に、またよき身投げ

明治になって、槇村京都府知事が疏水工事を起して、琵琶湖の水を京に引いてきた。

ともかく、京都にいい身投げ場所ができてから、自殺するものはたいてい疏水に身を投げ