丹波国 鞍馬 加茂 丹波 京都

道世と言えば、天子様の第一番の家来で、丹波国の田舎までも聞えている、名高い人でありました。

のお邸でございます。実は、昨日道世様が、鞍馬のお寺へ御参詣の途中、お車を引く牛が、暴れ出して、あなた

名です）という身代を作ったもので、都でも加茂の長者と言えば、誰知らぬ者もありません。が、私がお金

では、どの家でも、幾らお金があっても、加茂の長者の家へは婿にはやれない。鬼の家へ婿にはやれ

私は、とうとうこう考えました。都の人はみんな加茂の長者を憎んでいるから、とても婿に来手はあるまいが、旅の人

いる一郎次の左衛門尉清経の下へ、その頃都で名高い加茂の長者から訴がありました。

それは、その前の晩、加茂の長者の家へ三十人ばかりの盗賊の一隊が押し入ってお金を沢山盗んで

が立派な邸を作って住んでおるということじゃ。加茂の長者の家に押入った盗賊も、この多能丸に違いない、早速かけ向う

「直ぐ加茂の長者の家へ行って、花子を受け取りに来いと言え。」と、申し

白い砂の上に、坐らされました。丁度、そこへ加茂の長者が娘を受取りに自分でやって来ました。これは縁側の上

と現れました。左衛門尉は、一番高い上座に坐ると、加茂の長者の方を見て、

都から二十里ばかり北に離れた丹波の国のある村に、三人の兄弟がありました。一番上の兄を

。」と聞きました。二郎次は、おずおずしながら、丹波の国から都へ行く訳を話しました。すると、その武士は親切らしい笑顔を

「はい、私は丹波の国から都へまいるものです。」と言いました。すると、女の

まだ天子様の都が、京都にあった頃で、今から千年も昔のお話です。