仁王門 / 橘外男

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地名一覧

倫敦

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仏蘭西へ来る前に、倫敦に三年、ジュネーヴに一年、長い海外生活で、母とろくろく家庭の団欒

「倫敦や、巴里でばかり暮らしとって、ようこねな山ん中を、忘れずに

川崎

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眼をあけることができませんでした。大森、蒲田、川崎と過ぎて、東京の灯光がやや遠のいた時分に、やっと心が落ちついて、

草津

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長島には、癩病者隔離のための愛生園があり、草津、霧島その他にも、隔離のためにいくつかの国立療養所の、設けが

ジュネーヴ

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仏蘭西へ来る前に、倫敦に三年、ジュネーヴに一年、長い海外生活で、母とろくろく家庭の団欒さえ味わっていない

巴里

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ほど有名だというのでもない。富豪の令嬢で、巴里帰りの新進ピアニストというので、新聞や雑誌に写真は出ていた

にとの、電報でした。それで十二月九日、巴里オルリー空港を発って、エール・フランス機で、帰国の途に就きました

いる時も大学にいる時も、また任官して倫敦や巴里にいる時も、私はどんなに感謝の念を、懐いていたか

「倫敦や、巴里でばかり暮らしとって、ようこねな山ん中を、忘れずにいた

村の誰彼の噂、私に取っては珍しくもない、巴里や倫敦の話などを子供のように貪り聞きながら、それからそれと話

いつぞや、巴里で受取った貴方のお手紙には、貴方のお父様は貴方が結婚なさる時

松江

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に、来てもろうたんだ。その先生の紹介で、松江から亀井さんてえ博士の方にも、二、三度応診してもろう

東京

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、出たことがありません。貴方と結婚して、東京の郊外へでも家を持ったら、母を呼んで一緒に暮したら、

母は山深い故郷で、一生を送って一度も東京へ、出たことがありません。貴方と結婚して、東京の郊外

の家の離れに泊っていたが、その親類ももう東京にいないから、どこかホテルでも探して泊るつもりだと聞くと、

ので、一人で本を読んでいるのを見ると、東京はどこに泊ってるのだ? と、公使が聞かれました。そして

も家へ帰ることに決めました。そういうわけで、東京へ着いたら着任の挨拶を済ませてすぐ、貴方にお眼にかかりに

お墓詣りをしてもらいたいのだが、忙しいだろうからいったん東京へ帰って、折りを見てまたゆっくり、お墓詣りに戻って来て欲しい

兄は田舎者まる出しになっています。もし今兄を、東京の市中でも歩かせようものなら、浮薄な都人からはたちまち田舎ッペイと

おりません。これからその友達を訪ねて、明日にも東京へ帰ろうか? と、身仕度しているのを見ると、

の様子を、じっと見守っている必要がある。新さんは東京へ帰る身だから、貴方に代って精々俺が、見守っていることに

して揉み消しをする。余計な心配をせずに、ひとまず東京へ帰ったらいいと、友達は口を酸くして、慰めてくれました

「身体の工合が直ったら、早く東京へ戻って……ソノなんだ、お前のいるのが邪魔で、帰れと

と憂愁に私の心を閉ざして、もう日延べの電報は東京へ、三度も打っています。明日こそはなんとしても兄

着任の挨拶と同時に、辞表を出すために思い切って、東京へ行って来ました。夜行で昼過ぎ新橋へ着いて、その足で

、駅構内へ出て来ました。降誕節の済んだ東京の市街はやがて迎える新年の装いで、ネオンが夜空に美しく、輝いてい

あのガード下の煉瓦道を、暮れの売り出しで賑わっている東京デパートの前から、駅構内へ出て来ました。降誕節の済んだ

母との顔が眼先に散らついて、どうしても東京に泊る気には、なれませんでした。九時四十五分の下の

ましたが、一晩、ホテルにでも泊って、しみじみ東京に別れを告げたいなと思いました。が、兄と母との顔

できませんでした。大森、蒲田、川崎と過ぎて、東京の灯光がやや遠のいた時分に、やっと心が落ちついて、眼を開くこと

新橋

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思い切って、東京へ行って来ました。夜行で昼過ぎ新橋へ着いて、その足で田村町の本省へ行って、局長に辞表を出し

午後の六時頃本省を出ました。また電車通りを新橋口まで、あのガード下の煉瓦道を、暮れの売り出しで賑わっている東京

が出て来ます。しかし、不思議に心が落ちつきます。新橋でネオンや、赤坂麹町の夜空を眺めて、狂いそうな気がした

麹町

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するまでぼんやり窓から眺めていますと、議事堂の裏手から麹町赤坂辺と覚しい高台にも、燈光が夜空に燦いていました。

しかし、不思議に心が落ちつきます。新橋でネオンや、赤坂麹町の夜空を眺めて、狂いそうな気がした時に較べると、自分