赤坂 秋田 東京 銀座 新橋 向島

に、私は、殺人遊蕩児を乗せて、昼は、赤坂に、夜は柳橋に、向島に新橋にと、ビュイックやナッシュを走らせて

当時銀座のカフェー・パローマという店に勤めていた、秋田小夜子という十九になる者で店では通常、よし子といっていた

、薄命な若い一生を終った秋田小夜子の実の兄、秋田清吉というものです。

た被告人須山春一のために、薄命な若い一生を終った秋田小夜子の実の兄、秋田清吉というものです。

之が手紙の全部です。そうして彼秋田清吉の望み通り彼は今に至るまで捕まりませぬ。否、当局者が抑も

斯ういう風に考えれば考えられぬことはない。例の秋田小夜子の事件当時、春一は自分の家に業病の血が流れていること

です。だから実際当日いろんなことを考えていつになく暫らく秋田を待たせて決死の色をして出かけたのでしょう。

ですが、よく判ってくる節々も出て来るのです。秋田清吉は、須山春一がだんだん陰鬱になって行ったことを記しています

たのでしょう、丁度その位の時間がたっています。秋田はただ泥酔しているとのみ考えました。そうして、

秋田が車をとめて中を見た時は春一は殆ど絶息しかかってい

知れませんが、春一が悲鳴をあげたというのは秋田の錯覚でしょう。

で絶息したのではありますまいか、とすれば秋田は見事に復讐した積りで実は死体を載せた自動車が、崖から

春一が秋田めがけてつかみかかろうと立ち上ったのが、実は彼の断末魔の苦悶だったの

つ問題があります。それはこんな犯罪を自白している秋田が、もし捕まった場合、やはりあくまでも私は彼の頼みの通りに、

ただ私には秋田清吉は永久に捕まらないような気がするんです。それだからこんな話

かつて東京地方裁判所検事であり、今弁護士という職にある土田八郎氏はこう語りながら

。それからくわしい話をするため、二人でタクシーに乗って東京から三里ほど隔たっているＭという所に行き、そこのＮホテルに

の自動車で最近行方不明になったものはないので、或いは東京方面より来た自動車が誤って墜落し、この惨事に出会ったものでは

事件を引き起して有名になった男であるが本月二十五日東京市××区××町の自宅より附近の○○タクシーの営業用自動車

あの大東京の真中で、私が自分の職業を利用して、殺人罪を犯し、しかし

彼を乗せて私は大東京を離れました。

女は当時銀座のカフェー・パローマという店に勤めていた、秋田小夜子という十九に

て、昼は、赤坂に、夜は柳橋に、向島に新橋にと、ビュイックやナッシュを走らせていたのです。

を乗せて、昼は、赤坂に、夜は柳橋に、向島に新橋にと、ビュイックやナッシュを走らせていたのです。