川越 東京

――彼等はその寺に雪子を葬った。そして、川越の知人のもとに身を寄せていた。増二郎はしばしば東京に出て

玩弄物に売り出されたものです。それが、数年間に、東京近県の水田や河川に繁殖していますが、都内のこの池にも

「東京では、牛鍋といえば必ず葱だが、葱よりも芹の方が

出て来ました。田舎で家鴨に親しんだ信生は、東京の家にも家鴨がほしくなり、それを池に泳がしたがりました。

んでした。そしてこんどは、政子と信生とが、時々東京へ出て来ました。田舎で家鴨に親しんだ信生は、東京の家

東京の家を守り、恒吉は両方を往き来しました。東京の家が焼けると、皆揃って浦和近くの方へ住みましたが、

に住家を一つ求めて、そちらへ疎開し、辰子が東京の家を守り、恒吉は両方を往き来しました。東京の家が焼ける

から戻って寄食してる姪の辰子、それだけでした。東京が空襲に曝されるようになると、浦和の近くに住家を一つ求め

も言いました。――金魚池にするのである。東京の金魚屋は殆んど全滅してるので、金魚を育てて売り出せば、如何に

知人のもとに身を寄せていた。増二郎はしばしば東京に出て来て、将来の計画をした。年が明けてから、