「草野心平詩集」解説 / 豊島与志雄
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は「阿蘇山」の一篇を採録しておいた。いずれ阿蘇山にも取っ組んでみたいという、心平さんの言葉を記憶してるからである
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、おかしいだろう。ばかりでなく、「蛙」の詩や「富士山」の詩は、十数年に亘って幾つとなく書き続けられたもので
「富士山の詩を私は永いあいだ書いてきたように思うが、もともと富士山などと
を私は永いあいだ書いてきたように思うが、もともと富士山などというものは天を背景にしなければ存在しない。」
漸く「富士山」に辿りついた。
心平さんは富士山の詩人とも言われる。十数年来、富士山の詩を幾つも書き続け
さんは富士山の詩人とも言われる。十数年来、富士山の詩を幾つも書き続けてきたからだ。今後も続くことだろう。
ところが、心平さんは富士山そのものだけを歌ってるのではない。存在を超えた無限なもの、日本
殊に、前に引用しておいた文章が示す通り、もともと富士山などというものは天を背景にして存在するのだ。
斯くて、富士山はもはや象徴である。現実の富士山の姿態などは問題でない。けれども、
斯くて、富士山はもはや象徴である。現実の富士山の姿態などは問題でない。けれども、象徴は具象を離れては存在し
、象徴は具象を離れては存在しない。心平さんの富士山はやはり美しい。その美しさが、平面的でなく、掘り下げられ深められてるのを
心平さんは、富士山の詩人であるよりも、より多く「蛙」の詩人である。そしてここに
富士山が象徴であるように、心平さんにとっては、蛙も一種の象徴で
も一種の象徴である。一種の、と言うのは、富士山の場合と少しく意味合が異るからだ。心平さんは先ず蛙を、あくまでも蛙
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、心平さんはすっきりした詩人である。だから、「東京公園」の如き種類の幻想も、いやな臭気を立てないのだ。