旅だち ――近代説話―― / 豊島与志雄

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秋田

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秋田洋子は、中山敏子の同郷の友人でありまして、郷里で女学校を了え

敏子に結婚問題が持ち上ってる頃、秋田洋子は郷里に帰っていましたが、一度の便りもしなかったあと

はしみじみと瞑想に耽りました。瞑想からさめると、また秋田洋子に逢いたくなりました。

秋田洋子が勤めてる出版社は、空襲で半焼けになったビルディングにありました。

のなかで、敏子は慴えた気持ちになりました。そして秋田洋子を探しましたが、なかなか見当りませんでした。

「よく来ましたね。あなたも会員におなりなさい。秋田さんが黙っているものだから、僕はあなたのことをちっとも知らなかった

東京

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の友人でありまして、郷里で女学校を了えると、東京に出て専門学校に学び、親戚の家に寄居して、ある出版社に勤め

でした。女学校に上りたての頃から、一家をあげて東京に移り住んだ敏子は、もうそれを忘れかけていました。それよりもまた