九州 東京

が来ました。一ヶ月して梧郎は復員になり、九州から戻って来ました。

――東京方面への切符は売りきれてしまった。

、そこで交叉してる他の鉄道線から迂回して、東京方面へ行けるかも知れませんでした。

に大きな次の駅まで、二里あまり歩いて行けば、東京方面への切符があるかも知れませんでしたし、あるいは、そこで

八重子は幾度も、眼を開けたり閉じたりしました。東京の家のこと、兵営の梧郎のこと、夜の停車場のことなどが、

て、僅かな弟子があるので、三日に一度は東京に出ていること、などを八重子は知りました。

に広い範囲に亘り、至る所に焼跡が見られました。東京に踏み留まってるだけでも、容易なことではありませんでした。

やがて、東京も空襲に曝されるようになりました。戦災は次第に広い範囲に亘り