大阪 金沢 京都

京都と云う海のない都会に育って、海と云えば大阪の築港より知らぬ閑枝に取っては、日本海に向って立った感じは

「今朝金沢へ行ったので八時頃には帰るって………、もう帰って

夫婦と共に、伊切の浜へ行って見た、京都と云う海のない都会に育って、海と云えば大阪の築港より知ら

な命をもって、この温泉場に逃れてきました。京都から来るときには沢山の本を持って来ましたが、まだその三

京都へ帰ることになっても、閑枝は別に嬉しいとは思わず、また

あなたは、明日いよいよお立ちになるそうですね、京都へお帰りになりましたら、ずい分身体を大切にして、幸福にお

閑枝が京都へ帰ってから、一週間ばかりの後であったが、兄から手紙が

からは二人共幸福になれるよ、早うお見、今朝の京都新聞の三面を………」

「閑さんか、今朝の京都新聞を見たかい、わたしもね、お前の病気を癒してやろうと