パリ ウィーン アムステルダム ニューヨーク 九州 ボストン ロンドン 東京

はいない。ボストンだけが文化の中心ではないし、パリだけが文化の中軸をなしていると云えない。それぞれの国は、各地方

分野を支配するようになってから、その取引場としてパリ、ロンドン、ニューヨークという風な首都が、文化・芸術の成果を集中しはじめ

第二次世界大戦まで、パリは芸術の都と云われて来た。それは、ヨーロッパにおいてのフランス

て今日に到ったからでもあるが、他面には、パリというものがもちつづけたその伝統的な地位によって、おのずから文化において

ヨーロッパ、アメリカの文化・芸術の純文化的、芸術的価値は、パリという関所を通過して、初めて存在を確実にされると思われた。

思われた。同時に、世界の文化的商業の面から、パリで売れる、ということが一つの商品価値証明のようになった。ウィーン

た。ウィーンで有名だった藤田嗣治、というのと、パリで有名だった藤田嗣治というのとでは、一般のうける印象がちがう。

いうことが一つの商品価値証明のようになった。ウィーンで有名だった藤田嗣治、というのと、パリで有名だった藤田嗣治と

を建て、大図書館を建て、劇場を建てた。例えば、アムステルダムの大市場は、世界の物資を集散して目を瞠らせる壮観を呈した

壮観を呈した。同時にその市場を運営していたアムステルダムの市民は、ルーベンス、レンブラントの芸術を生む母胎ともなった。ハンザ同盟に

ようになってから、その取引場としてパリ、ロンドン、ニューヨークという風な首都が、文化・芸術の成果を集中しはじめた。文化・

僅に、九州や中国の、徳川からの監視にやや遠い地域の大名たちだけが、密貿易や

決してただ一ヵ所の首都に集注されてはいない。ボストンだけが文化の中心ではないし、パリだけが文化の中軸をなしている

支配するようになってから、その取引場としてパリ、ロンドン、ニューヨークという風な首都が、文化・芸術の成果を集中しはじめた。

かなり念の入った出版物が発行されるようになった。東京そのほかの大都会は破壊された。地方の小都市は、その犠牲から

大啓蒙家であった福沢諭吉が、自分の著書にいつも東京平民福沢諭吉と署名したことを知らないものはない。これは彼の