流線間諜 / 海野十三
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大江山
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「なんだって?」と大江山は唖然として、帆村の顔を穴の明くほど見詰めた。そして、
銀座
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。筆者はこの辺で長い前置きを停めて、まず白昼の銀座街を振り出しのR事件第一景について筆をすすめてゆこうと思う
六が居合わさなかったとしたら、これは舞台が華やかな銀座で演じられたというだけのことで結局極く普通の死亡事件として
最初の一頁なのであるが、それは白昼華やかな銀座街の鋪道の上で起った妙齢の婦人の怪死事件から始まる。そして若し
三時ごろのことだったが、青年探偵帆村荘六は銀座の鋪道の上を、靴音も軽く歩いていた。丁度彼は永い間
彼は銀座の四つ角を青信号の間に渡って、京橋の方に向って歩いている
なにがさて、物見高い銀座の、しかも白昼の出来ごとだから、たちまち黒山のような人だかりとなった。
顔! ああ意外にも、その大きい方の顔は、銀座に猿を連れて現れ、屍体からマッチ箱を盗んでいった大男だった
の口金を帆村の胸にピタリと当てて「君は銀座事件でマッチ函を怪しいと睨んでいるそうだが、一体あのマッチ函の
ではないか。残りの半分のマッチの棒は、あの銀座の鋪道に斃れた川村秋子という懐姙婦人が喰べてしまったのだ
の仲間が間違えたまま一函買いとってそしてガリガリ噛みながら、銀座へ出てきた。ところが……」
帆村はあの燐寸が、銀座の鋪道に斃れた婦人の身辺から発見されたとき、それが不可解なる
は写真のある部屋にただひとり待っていた。思えば銀座の鋪道で偶然見た婦人の怪死事件から発して、かずかずの冒険をくりかえし
京橋
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彼は銀座の四つ角を青信号の間に渡って、京橋の方に向って歩いているところだった。もう半丁もゆけば喫茶ギボン