烏山 早稲田 箱根 広島 東京 月島 新宿 目白

命じて灯火を滅させ急速力を出させた。行手は烏山の中央天文台、暗闇の中に夜光時計は七時二十分前を示す。今宵

後に月が出た。あと十分すると前方にあたって烏山の天文台の丸いドームが月光の下に白く浮かび出でた。天を摩するような無線

もなく私と根賀地とは、目白の坂を下りて早稲田の方へ走る自動車の中に在った。山吹の里公園の小暗い繁みの中

に疑いを生じたのは、風間さんと私とが、箱根の上を飛ぶとき、五千メートルの高度にのぼったのです。そのとき実に

運用能率上、松井田の下機を突如命じた。それは広島近くの出来事だった。月影さえない真暗闇の中だった。

が――先生もよっく御記憶かと存じますが――東京を出発して無着陸世界一周飛行の途にのぼったまま行方不明となっ

の前に驚きの眼を瞠ってみせた。「あれは東京からコースを西にとり、確かインドシナあたりまでは飛んでいるのを見かけた

配るようであったが、「一人の方が、現にこの東京に帰ってきているのを、この私が見たのです！」

彼はずっと島根県にブラブラしていた。それがこの頃、東京へ出て来たのには訳がある。彼は一つの疑問を

門を出た時は、もう薄暗かった。彼の家は月島にあったので、いつも越中島の淋しい細道を通りぬけて行くのであった

次の日は、夜に入って、彼が月島の自宅から、銭湯に行ってのかえりに、小橋の袂から、いきなり飛び出し

は相良十吉を遠視電話でよび出すと、彼に六時頃新宿の十字路街で私の自動車を待っていて呉れるように伝えた。彼

新宿へ出る迄に傷の手当を終り、衣服も一寸見ては血痕を発見

に相良を自宅まで送りとどけるように命じたのであった。新宿街のペイブメントには、流石に遊歩者の姿も見当らず、夜はいたく

自動車が三人を乗せて新宿まで来たときに、私一人は降り、根賀地に相良を自宅まで送りとどける

間もなく私と根賀地とは、目白の坂を下りて早稲田の方へ走る自動車の中に在った。山吹の