火星兵団 / 海野十三
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た。つまり新田先生が、小学校をおやめになって、大阪へ行かれるのを、成田町まで千二が送って来て、そうしてその別れ
た先生である。一年前に、小学校をよして、大阪へいった。大阪では、教鞭をとるのではなかった。大阪帝国大学工学部の
一年前に、小学校をよして、大阪へいった。大阪では、教鞭をとるのではなかった。大阪帝国大学工学部の聴講生となって、
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「そうか。では、わしは、これから大江山に会って来よう」
大江山は、とびあがった火星の宇宙艇の様子を、刻々に、博士のところへ、
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東京地方をおそった例の強い地震は、大正十二年の震災ほど大きな災害を与えは
どちらかというと、東京地方の震災は、それほどさわがれなかった。それは震災の程度が軽かったと
行方は知れないのであった。くわしく言えば、昨年の東京地方の大地震以来、どこかへ行ってしまったのか、それともまた、どこ
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時間で言えば、その日の真夜中のことであるが、ロンドンとベルリンとから、同時に、驚くべき放送がなされた。
ロンドンでは、時の王立天文学会長リーズ卿がマイクの前に立ち、また一方、
ロンドンとベルリンとからの驚くべきニュース放送は、まだつづいた。
ロンドンとベルリンとから放送された地球崩壊の警告講演は、もちろん地球の隅々に
「国際放送ですよ。ロンドンとベルリンとからです。どっちもりっぱな天文学者が放送しました」
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その写真は、一年前、成田町でとったものだ。その時、写真屋さんの店へ上ったのは、千二
小学校をおやめになって、大阪へ行かれるのを、成田町まで千二が送って来て、そうしてその別れの記念にとった写真で
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けがをしていた。博士はルルをなおすために、アルプスまで、くすりになる草をとりにいったことがあった。
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東京市内の警戒のため、夜通し町の辻に立って、任務をつづけている大江山
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言えば、その日の真夜中のことであるが、ロンドンとベルリンとから、同時に、驚くべき放送がなされた。
王立天文学会長リーズ卿がマイクの前に立ち、また一方、ベルリンでは、国防省天文気象局長のフンク博士がマイクの前に立った。
ロンドンとベルリンとからの驚くべきニュース放送は、まだつづいた。
ロンドンとベルリンとから放送された地球崩壊の警告講演は、もちろん地球の隅々にまでも
「国際放送ですよ。ロンドンとベルリンとからです。どっちもりっぱな天文学者が放送しました」
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新田先生は、退院の後、すぐさま甲州の山奥の、掛矢温泉へ向かった。
「課長は御存じないのですか、甲州の山の奥に、火星兵団が、いわゆる火星のボートに乗って着陸した
も、そうとも。火星兵団は、たいへんな人数だ。甲州の山奥で見た火星兵団なんか、ほんの一部分だ。兵団にいる兵士の総数は
怪人丸木は、甲州の山中で、しきりに火星兵団を指揮していた。
めあては、まず甲州の山奥にかまえている、火星兵団だ。
兵団の手から、捕虜になっている人間をとりかえそうと、甲州の山奥をさして押しかけたのであった。
で、やっとあんしんした。今や大空艇は、音たかく甲州の空をめがけてとんでいく。
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両国駅のホームで電車から下りた新田先生が、階段を下りて外に出ようとした時
両国駅頭で、大江山課長と禿頭問答をやった新田先生は、急になんだか和やかな
大江山課長は、両国駅にはいるのを一時見合わせ、病院へ電話をかけて、博士を出すように命令
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を喜び、まるで小鳥のように、濠端をとびとびしながら、日比谷公園の方へ駈出していった。
は、たちまち勢いよく公園のそばを離れた。そうして日比谷公園の角を右へ折れると、芝の方へ向かってスピードをあげた。
怪人丸木は、たしかに千二を途中でさらっていった。日比谷公園のそばに、自動車をとめておいて、千二をうまく運転台におしこんで
「僕、うそなんかつきませんよ。じつは、僕、日比谷公園のそばで、丸木のため、むりやりに自動車に乗せられて、こっちへ連れ
そこで千二は、日比谷公園のそばで、怪人丸木のため、むりやりに自動車にのせられたことや、
二度目には、警視庁から出て来た千二を、日比谷公園のそばに待受けていて、むりやりに自動車に乗せてしまった。そうし
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そう言って丸木は、スピードをさらにあげて、芝公園の森の中に自動車を乗入れた。
芝公園の森の中にとびこんだ自動車は、小石をとばし、木の枝をへし折っ
博士と先生とは、そんなことを言いながら芝公園の横をぬけ、電灯がぽつんとついている赤羽橋の方へ足を向け
をうながして、赤羽橋を目の前に左へ曲り、芝公園の深い森の中へはいっていった。博士は、老人とも見えない
丸ノ内の方に、急用があったので、千二は、芝公園のところで下された。それから千二は、おぼえのある博士邸あとへ
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を出ると、すぐその足で東京駅にかけつけ、省線電車で千葉へ急行した。先生は、まず千二の父親に会うつもりであった。
湖畔に起った怪事件を取調べるため、かねて千葉へ出張中だった大江山捜査課長は、一日向こうに泊り、その翌日の
「おい、皆にここへ集ってもらってくれ。千葉出張の獲物について報告をするから」
「千葉へ出張して、掴んで来たことについて報告をする。結局獲物
も集って来て、皆の説をおもしろげに聞入る。千葉で拾って以来、一体これは何だろうかと、さかんに議論をやった
課長について千葉へ出張していた部下たちも集って来て、皆の説をおもしろ
から、うまく家へ逃げかえったんじゃないかしら。どうです、千葉へ電話をかけてみては」
「どうです、課長。千葉へ電話をかけては……」
留置場から出ていったものとすれば、お昼すぎには千葉の家へかえりついているはずだ。そうだろう」
「かえりつけば、千葉警察の者が、こっちへすぐ報告して来るはずだ。なぜと言えば
「ところが、今はもう夜じゃないか。しかるに、千葉からは、何の報告も来ていない。すると、千二は、まだ
課長が箱の中から取出したものは、いつか千葉の湖畔でひろって来た不可解な、むちのようなものだった。課長
課長の机上から盗んでしまった。それは、課長が、千葉の天狗岩の附近から拾って来た貴重な証拠物であった。
火星の生物は、この前千葉の湖畔へやって来たようである。千二少年の話によると、
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いい。たくさんくすりを売っているところがいいのだが、東京までいった方がいいだろうね」
「東京? へえ、東京ですか。ははあ、すると、僕たちは、また地球にまいもどるのですか
「東京? へえ、東京ですか。ははあ、すると、僕たちは、また地球
「ふふん、それはまあ、なんとでも考えるさ。とにかく東京までいこうじゃないか。今すぐお前を元気にしてやるから、待って
「どうするって、これから東京へいくのじゃないか。東京へ着くまでは、これで目隠しをしておく。あばれちゃいけないぞ」
「どうするって、これから東京へいくのじゃないか。東京へ着くまでは、これで目隠しをして
「これから東京へ出るんだ。しっかりつかまっていろ」
「時計? 時計なんか持っているものか。おい千二。東京へ近くなったから、もうお喋りしちゃならんぞ」
「えっ、もう東京の近くまで来たの」
、まだものの二十分とたっていないのに、はや東京の近くへやって来たというのだ。そんなばかげた話はない。
「おい千二、もう東京の中だ。買物をするのには、銀座がいいのだろうね」
、僕はよく知らない。だって僕は、そう幾度も東京へ来たことがないんだもの」
「なあんだ。お前は、こんな近い東京をよく知らないのか。とにかく、銀座へ出よう。さあ、このへんなら、
さっき千葉県にいたはずだけれど、どうしてこんなに早く東京へ着いたの」
「あっ、ほんとうにもう東京へ来たんだ。丸木さん、僕たちは、さっき千葉県にいたはず
ただ一つ、東京朝夕新報という新聞だけは、この二つの事件を一つと考えて
警視庁に入れられたことを朝刊で知り、その場で東京へいこうと決心した。それはもちろん千二のために弁護して、留置場
一時間でも一分間でも、早く千二の困っている東京へいきたいと、新田先生は飛行機でいく道を選んだのである。
朝先生はすぐに電話を日本空輸にかけた。それは東京行の旅客機に乗れるかどうかをたずねたのである。たとえ一時間で
新田先生は、お昼前、無事に東京羽田の空港に着いた。
新田先生は、東京の羽田空港で旅客飛行機から下りると、すぐその足で、とるものもとりあえず、
丸木という怪しい人が、僕を、僕の村からこの東京まで、むりやりに連れて来たんです。そうして、あのようなひどい
な意味のことを言ったこと、丸木に捕えられ、はるばる東京の銀座までボロンという薬品を買うため、丸木は千二を案内人として
したればこそ千蔵は、千二のことも知らないし、東京へ駈けつけもしないでいるのだ。
新田先生は、東京へ引返した。
怪ロケットの出発するところだったらしいので、さっそくこれは東京へ帰って、別な方面から調べたがいいと思ったからである。
「大江山さん。僕はいま千二少年の父親をみまって、東京へ帰って来たところですが、あの千蔵さんは大怪我をしてい
課長は、一日向こうに泊り、その翌日の夕刻、東京へ帰って来た。
火星のボートかわからないけれど、とにかく前代未聞の怪しいものが、東京附近へまぎれ込んだことだけは、疑う余地がない」
のお手柄だ。千葉県から、杉の苗木を積んで、東京へ売りに来たその帰り道での出来事だった」
何しろ東京全市も大混乱しているので、新田先生の手当も、早くしなけれ
震災ほど大きな災害を与えはしなかったが、それでも東京市だけで言っても、市の古い建物はかなり崩れ、また火事が十
東京地方をおそった例の強い地震は、大正十二年の震災ほど大きな災害を
どちらかというと、東京地方の震災は、それほどさわがれなかった。それは震災の程度が軽かっ
東京だけではない、日本国中は、その日に対する準備のため、上
行方は知れないのであった。くわしく言えば、昨年の東京地方の大地震以来、どこかへ行ってしまったのか、それともまた
「それは、東京の人だと言っていましたがね。名前は、わしが聞いて
は隊員のところへ行って、例の二十四時間後に、東京へ出発のことを話すため、洞穴の中へはいっていったのである
た。そうして自分は、これから直ぐにこのことを東京へ知らせたいから、電話を頼んでくれと言った。
で、旅館内は、さらに大さわぎとなった。さっそく電話を東京へ申し込んだが、急ぐ時は、意地の悪いものでなかなか通じない。
「やあ、新田先生。あなたは、もう東京へ帰って来られたんですか」
引きよせられ、火星兵団にぶつかったればこそ、こうして早く東京へ舞いもどらねばならなくなって来たのだから。
丸木隊の火星人が、東京方面へも出て来て、人間狩をするであろうという新田先生の
が、火星人の変話機という機械をみやげに、東京へもどって来たことは、前に言った。そうして先生は大江山
はとても相手にならないが、変話機のおかげで、東京における火星人の人間狩の計画は、夜のふけるにつれて、
東京市内の警戒のため、夜通し町の辻に立って、任務をつづけて
になって来るのであった。何だか、ここは東京ではなくて、火星国の中のような気がするのであった
「じゃあ、今、窓の下にみえる市街は、東京市なのですか」
「そうじゃ。もう今は通りすぎて見えないが、あれは東京市じゃった。――そんなことは、おどろくに足りないが、この大空艇
東京まで、全速力で来た。
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千二、もう東京の中だ。買物をするのには、銀座がいいのだろうね」
お前は、こんな近い東京をよく知らないのか。とにかく、銀座へ出よう。さあ、このへんなら、人通りがないから、お前の目かくしを取る
うつくしい広告灯の灯だった。銀座が、千二のすぐ目の前に立っていた。
二人の立っているところは、銀座裏の掘り割りのそばで、人通りはなかった。だからこの二人は、怪しま
丸木におどかされながら、千二は、賑やかな銀座の通に、ようやく一軒の薬屋さんを見つけて、その店先をくぐった
もう午後九時は近い。が、銀座通は、昼間のように、たいへんにぎやかであった。
丸木は、千二の手を引いたまま、夜の銀座通の人波をかきわけて、どんどん前へ歩いていく。
丸木にひきずられるようにして、人影もようやく少くなった銀座の通を走った。そうして、例の薬屋の店先まで来た。
を追いかけた。店をしめて、静かになったばかりの銀座は、とんだことから、火事場のようなさわぎになった。
銀座に起った怪事件については、あくる朝の新聞は、たいへん大きな見出し
「怪人、銀座に現れ、薬屋を荒す」
「怪事件におびえた昨夜の銀座通」
その朝刊に、もう一つ銀座の怪事件が、並んで出ていた。
「宵の銀座に、奇怪な殺人。被害者は、若きタイピスト」
「怪人、深夜の銀座をあらして逃走す。美人殺害、薬屋の店員はあやうく鬼手をのがれた。
これは困ったことです。我々は捜査陣を広げて、銀座怪盗(と課長はそう呼んだ)を探しているのですが、どうも
のことを言ったこと、丸木に捕えられ、はるばる東京の銀座までボロンという薬品を買うため、丸木は千二を案内人として連れて
「さあ、そこが大事のところなんですが、銀座事件があってから、まだ幾日もたっていないので、それは
が天狗岩で会った怪塔・怪物事件、怪人丸木が銀座でボロンを買うため殺人を犯した事件、それから千二の父親千蔵が、
? そうだ、千二といえば、あの天狗岩事件や銀座事件で、つかまったあの少年が、千二という名前だった。
一度は、千二をつれて銀座に案内させ、ボロンの壜をうばってにげた。二度目には、
、植物にはないのだ。この前火星人丸木は、銀座で平気で、人殺しをやったではないか。
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課長の乗った自動車は、お濠を右に見て、桜田門の向かいに立ついかめしい建物の玄関に着いた。この建物こそ、わが帝都を
そこは、桜田門のそばであった。千二はふたたび自由の天地に放たれたことを喜び
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「わしのことかね。わしは、そのう、つまり日比谷署の者だ」
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博士は、先生をうながして、赤羽橋を目の前に左へ曲り、芝公園の深い森の中へはいっ