鎌倉 丸の内 武蔵野 横浜 敦賀 東京

ている貿易商だった。二人の母は病弱で、郷里の鎌倉にいるが、だいぶん永いあいだ二人の子供にあわないので帰ってほしいといっ

帆村探偵の事務所は、丸の内にあった。ウラル丸の船長からもらった紹介状を出すと、帆村はすぐ

ておこうと決心をした。その正太が、東京郊外の武蔵野に省線電車をおり、それから砂ほこりの立つ道を、ひとりぽくぽく家の方へ

それを話してくれたのは、横浜の水上署の警官で飛田という人だった。その話というのは、

は、べつにかわったこともなく、ウラル丸はついにめでたく敦賀の港に錨をおろした。ウラル丸の検疫がすんだ。もうこのうえは

どこへいったのであろうか。正太はあてもなく敦賀の町をさまよってマリ子をさがしてあるいたが、なんの手がかりもなく三

。そこで正太は、やっとすこし元気づいて、なごりおしくも敦賀の町をあとに、東京へむかったのであった。それはウラル丸が

、東京へむかったのであった。それはウラル丸が敦賀の港について五日目のことだった。

はすまないが、マリ子は船の中で病気になり、敦賀の病院に入っていることにしておこうと決心をした。その正太が

だ。ただ一つ、正太の心をなぐさめたものは、敦賀で見うしなった妹マリ子が、いつの間にか東京へ来ていたことで

船長は、たいへん気の毒がって、このうえは東京へいって、誰かいい探偵をたのむのがいいだろうとおしえてくれた

すこし元気づいて、なごりおしくも敦賀の町をあとに、東京へむかったのであった。それはウラル丸が敦賀の港について

ここで話は一日前にさかのぼる。場所は、東京九段の戦勝展覧会場の中であった。朝早くから、会場の門

日おくれて、正太少年は、ひとりさびしく汽車にゆられて東京についた。

ことにしておこうと決心をした。その正太が、東京郊外の武蔵野に省線電車をおり、それから砂ほこりの立つ道を、ひとりぽくぽく

間にか東京へ来ていたことである。マリ子が東京にいるならそのうちにまたどこかで会えるかもしれないと、正太は

は、敦賀で見うしなった妹マリ子が、いつの間にか東京へ来ていたことである。マリ子が東京にいるならそのうちにまた

行きがけの駄賃というやつで、かねて計画しておいた帝都東京を焼きうちして、それからおさらばということにしよう」