博多 愛宕山 横浜 極東 川崎 日比谷公園 東京 浅草 日比谷

ままで、からだには、紙でつくったかみしもをつけ、博多今小蝶と名乗って、水芸の太夫娘となって客の前に現れた

帆村荘六は、今、愛宕山の上に立っている。そこには、警視総監をはじめ、例の田所検事やその

、夜の静寂を破って、どどーんの一大音響が聞え、愛宕山が、地震のように動いた。それと同時に、山手寄りの町に炎々たる火柱

丸は、もうあと一日とすこしで、なつかしい祖国の港、横浜に入る予定だった。

に、そうかんたんにいくものか。ここから何百キロ先の横浜まで、泳いでわたるのはたいへんだ」

「とにかく、わしの直感では、この船は、横浜へ入るまでに、どうかなってしまうのじゃないかと思う。単なる空襲事件で

にか、自国の汽船にすくいあげられ、これもぶじに、横浜上陸となった。

彼女たちは、その明日の夕刻、横浜に上陸することが出来た。もう無いかと思った命を拾うし、そして

やっと解放された房枝たちミマツ曲馬団員は、一まず横浜のきたない旅館に落ちついた。これから、一同の身のふり方を、いかにつける

の興行の瀬ぶみに、房枝は新団長の黒川とつれだち、横浜をあとに、東京へ出かけたのであった。

極東首領ターネフ。彼はこの二十年間に、骸骨化クラブの会員として、主

省線電車が、川崎を出て長い鉄橋を北へ越えると、そこはもう東京になっていた

、午後一時ということになっていた。場所は日比谷公園であった。それから各工場へ、手わけして花の美女隊が、

花の慰問隊は、一せいに日比谷公園から、進行を開始した。ターネフ首領邸から、ここへ運ばれてき

いちいちしらべるのです。それと同時に、無電をうって、東京の検察局の援助を乞われるのがよろしい」

彼が丸ノ内に探偵事務所をもっていることが分かった。東京に不案内の彼女であったから、分からないことは、これから何でも

帆村は、ついに一命をまっとうして、今日、東京についたばかりであった。彼は、とるものもとりあえず、重大な報告

そしてその第一興行地を、今生産事業で賑わっている東京の城南方面にえらび、どうなるかわからないが、出来るだけのことをやって

こよう。それから、何とかして、衣裳の方も東京で算段してこよう」

東京へ

、房枝は新団長の黒川とつれだち、横浜をあとに、東京へ出かけたのであった。

いるときから、いくたびとなく夢にみていたなつかしい東京の土地を踏むのだと思うと、やっぱりうれしさの方がこみあげて来た

「あら、もう、ここは東京なのね」

川崎を出て長い鉄橋を北へ越えると、そこはもう東京になっていた。房枝は、窓越しに、工場ばかり見える町の風景に

、たいへんな張切りぶりを見せた。もう二、三箇月、東京各地で稼いだら、その次には一座そろって上海へ渡ろうと、黒川団長

に、興行をしまったら、黒川と房枝は、しめしあわせて、東京丸ノ内のネオン・ビルの前へ急行することに、二人の打合せができた

、警官のいうところに従われたがいいでしょう。なにしろ、東京のまん中に原因不明の爆破事件が起るなんて、物騒なことですからね。

そのうつくしい少女が、これはまた更にうつくしい花束をもって、東京にあるたくさんの生産工場その他を訪問し、朝から晩まで、機械と

その日が来た。花の慰問隊の大行進！　東京の工場という工場が、うつくしい花束や、おそろしい爆薬を秘めた花籠で飾ら

いよいよ今日の日曜日は、花の慰問隊の大行進！　東京の工場という工場が、うつくしい花束、いや、おそろしい爆薬を秘めた花籠で

なんかが、ばらばらと落ちたんですって、あたしあの翌朝、浅草の小母さんところを早く出て、曲馬団へかけつけたんだけれど、工場

慰問隊は、一旦日比谷に引揚げ、そして夕方の六時近くになって、めでたく解散した。