疑問の金塊 / 海野十三

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伊勢佐木町

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がついたのは、横浜の銀座といわれるあの賑かな伊勢佐木町で夜食を採り、フラリと外へ出た直後のことだった。それから橋

その次の日の夕方、私は同じ伊勢佐木町で、素晴らしい晩餐を執っていた。前日と違っているところは、連れが

横浜

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。この尾行者のあるのに気がついたのは、横浜の銀座といわれるあの賑かな伊勢佐木町で夜食を採り、フラリと外へ出た

。これが銀座なら、どんな抜け道だって知っているが、横浜と来ると、子供時代住んでいた時とすっかり勝手が違っていた。

た。その際に本庁の強力犯の二刑事が、はるばる横浜まで遠征して来たのは、誰が考えたって、ハハア金魂事件のためだ

。だが云わでもその名前を呼びかけられりゃ、いくら此処は横浜だって小さくなっていられるものかと、私はムッとした。

の悪い病気なのだ。現に銀座を出て、単身この横浜に流れて来たのも、所詮は大きいムッとするものを感じたせいでは

(伝統の銀座を、横浜の奴等に荒されてたまるものかい)

仙太といえば刑事たちが、さっき私に訊いたところの横浜の不良で、カンカン寅の一味なのだ。

と私は気がついた。これは横浜へ明治年間に来た西洋人が、その頃日本に珍らしくて且つ高価だった

を掛けた。それから外へ飛び出した。それは私が横浜に来た仕事の片をつけるためだった。

、「いいかい爺さん。五千円を掴んだら、直ぐ横浜を出発んだ。娘さんも連れて行くんだぜ」

「もう此上横浜に居たって、面白いことは降って来やしないよ。お前たちは苦しくなる

たちは苦しくなる一方だ。いい加減に見切をつけて、横浜をオサラバにするんだ。ぐずぐずしていりゃ、カンカン寅の一味にひどい目に

「満洲へゆくんだ。丁度幸い、今夜十一時に横浜を出る貨物船清見丸というのがある。その船長は銀座生れで、親しい先輩

横浜よ、さらば

「横浜を離れるとなると、やっぱり淋しいわ」

。あの倉庫から搬び出した中身のこと、それからお前が横浜へ流れてきた訳など」

「なにを云うんだ。横浜にいちゃ、生命がない。カンカン寅の一味は張り子の人形じゃないぞ」

満洲

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「満洲へゆくんだ。丁度幸い、今夜十一時に横浜を出る貨物船清見丸という

「満洲かい。……それもよかろう」

銀座

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尾行者のあるのに気がついたのは、横浜の銀座といわれるあの賑かな伊勢佐木町で夜食を採り、フラリと外へ出た直後

になるまでに、こいつら二人を撒けるだろうか。これが銀座なら、どんな抜け道だって知っているが、横浜と来ると、子供時代住ん

「旦那方」私は真面目に云った。「銀座の金塊は、私がやったのじゃありませんぜ」

まいが、事件というのは今から十日ほど前、銀座第一の花村貴金属店の飾り窓から、大胆にもそこに陳列してあっ

刑事は擽ったそうに苦笑した。恐らくあの有名な「銀座の金塊事件」を知らない人はあるまいが、事件というのは今

「ふざけるな。じゃあ訊くが、銀座無宿の坊ちゃんが河岸をかえて、なぜ横浜くんだりまで来ているのだ

そのムッとするのが、私の悪い病気なのだ。現に銀座を出て、単身この横浜に流れて来たのも、所詮は大きいムッと

(伝統の銀座を、横浜の奴等に荒されてたまるものかい)

から、覘うものを捲きあげてしまわなければ、死んでも銀座には帰らないと肚を決めているのだ。――で、その大事

が出てきて、刑事達は俄かに緊張した。銀座の金塊盗難事件以来というものは、黄金を探して歩いた二人だ。

を壮平に手渡した。その千円は、実を云えば銀座を出るとき、仲間から餞別に贈られた云わば友達の血や肉の

が浮んで消え、消えた後からまた浮びあがった。――銀座の花村貴金属店の飾窓をガチャーンと毀す覆面の怪漢が浮ぶ。九万円の

横浜を出る貨物船清見丸というのがある。その船長は銀座生れで、親しい先輩さ。そいつに話して置くから、今夜のうちに港

……オイ政どん、噂に聞くと、あのカンカン寅が銀座の金塊を盗みだしたというが、お前は昨日、あの建物にカンカン寅が

円の金魂は、手下の赤ブイの仙太を使って、銀座の花村貴金属商から強奪させた。仙太が逃げ帰ってくると、煉瓦大

が欲しいわけでこの仕事をやったんじゃない。目的は銀座の縄張へ切りこんできたカンカン寅の一味に一と泡ふかせたかった

満洲へ、満洲へ……。銀座に別れて満洲へ……。

東京

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が、町角に隠れてしまうと、私は船会社と、東京から連れてきた身内の者とに電話を掛けた。それから外へ

置いた中身の酸は、分量こそ同じ二十五壜だが、東京から買った純粋の酸でしかない。カンカン寅の奴、後でそれを