香港 ロンドン 横浜 コロンボ 須磨 佐渡 明石 ソビエト連邦 極東 靖国神社 十条 両国 神戸 東京

そこから、次の寄港地の香港まで、ざっと三千キロメートルの遠方である。その間の南北にわだかまる大海洋こそ

かも申しますが、こんな飛行島を一つ、シンガポールと香港との中間の海上につくってみても、一たいどれ位の値うちがあり

明後日、香港につくまでは、こうして機関は鳴りつづけているだろう。

「いえ。そんなことではありません、香港経由の東京電報です。これをごらんください」

英人宣教師が殺されたのを口実として、あの香港を奪いとって今日におよんでいるのである。英領埃及においてしかり、英領

てもらいたい。汽船は、この飛行島を出ると、まず香港に行き、次にシンガポール、次にコロンボまでゆく。ボーナスをうけとるときに、諸君

香港で下してくれという者もあれば、コロンボよりもっと先へまで送ってくれ

つ、考える材料ができた。それは飛行島を放れて香港へ行くはずの汽船ブルー・チャイナ号が、奇怪にも今それと反対に、

「ふーん、わが東洋艦隊は印度やシンガポールや香港を空っぽにして日本の主力艦隊にかからにゃ駄目だ」

いたように、フイリッピン人カラモという依託学者で、ロンドンの英国海軍工廠にあってエンジン製造に従事していた者で、エンジンに

なくとも、わが帝国領土を攻撃せよとの戦闘命令は、ロンドンよりすでに貴下の懐へ届いているはずではありませんか。お分かりになら

ヨコハマ・ジャックとは、あだ名なのであろう。横浜にいたごろつきに違いない。

もあるではありませんか。大連、仁川、函館、横浜、神戸など、悪くありませんよ。なにもかも、貴国の決心一つ

二等水兵の通訳をするためだった。ジャックは永いこと横浜に暮していて、べらんめえ調の歯切のいい日本語――というよりも東京

を出ると、まず香港に行き、次にシンガポール、次にコロンボまでゆく。ボーナスをうけとるときに、諸君はどの港で下りるか、それを申し出

須磨、明石の両艦では、半舷上陸が許されることになった。尤も時間が

いうまでもなく、わが帝国海軍の練習艦隊、明石と須磨の二艦だった。

鉛筆で走り書されてあった。それでみると、須磨は、多分太平洋のどこかにいる連合艦隊の旗艦武蔵と、通信を交わして

「うむ、すると戦艦淡路、隠岐、佐渡、大島や、航空母艦の赤竜、紫竜、黄竜などというところがわれわれを

わが練習艦隊須磨、明石の二艦は、欧州訪問の旅をおえて、いまやその帰航の途に

この物語は、二番艦明石の艦内において始る。――

須磨、明石の両艦では、半舷上陸が許されることになった。尤も時間がきめられ

練習艦明石は、飛行島を離れたのだ！

いうまでもなく、わが帝国海軍の練習艦隊、明石と須磨の二艦だった。

「さあ、ハバノフさん。明石、須磨はもう大丈夫ひっかえしてきませんよ。では船室へいって、おちつい

氏というのは誰あろう。これぞ赤きコミンテルンの国、ソビエト連邦の密使であって、元海軍人民委員長という海軍大臣と軍令部長とを一しょ

せるためなんです。ですが、実は、われ等は極東において絶対的優勢の地位に立とうと、戦備に忙しいのです。わが大英帝国

ていません。本当にそれをやるつもりなら、なぜもっと極東に兵力をあつめないのです」

士官候補生たちもよく見た。祖国を出るまえ靖国神社参拝のとき見た東京駅なんか、くらべものにならない。

ままでは、風浪に流されてしまう心配があるから、約三十条の驚くほど太い鎖と錨とでもって海底に固定されている。

探照灯は、何十条としれず、シクラメン号の後方海面へ集注せられた。

仕掛花火がはじまっているような海上の騒が見えた。幾十条の探照灯が、網の目のように入まじって、海上を照らし、爆雷の太い水柱が

「――実は、昨日貴官からお話のあった英ソ両国間の協定のことですが、国の方へ相談してみたのです」

約千五百メートルから二千メートルのあたりが、まるで両国の大川開きの花火のようだった。

が日本の少年の手によって殺害された大事件から、英日両国の間は急に悪くなり、いつどんな事が起るかもしれない様子だというではあ

の対日軍事同盟はついに成立したのである。では今より両国は共同の敵に向かって、北方と南方との両方向から進撃を開始しよう」

に貴国の同意を得て、こんなうれしいことはない。英ソ両国の対日軍事同盟はついに成立したのである。では今より両国は共同の敵に向

もちろん宣戦布告などのことはなく、英ソ両国の精鋭軍団は、一方的に軍事行動を起したのであった。

ではありませんか。大連、仁川、函館、横浜、神戸など、悪くありませんよ。なにもかも、貴国の決心一つです

て、べらんめえ調の歯切のいい日本語――というよりも東京弁というかハマ言葉というかを上手にしゃべった。

「いえ。そんなことではありません、香港経由の東京電報です。これをごらんください」

つぶやくようにいうと、東京電報をスミス中尉にかえし、ベッドに横たわる杉田二等水兵の方をぐっと

そういうものの狙の前に、一天万乗の君まします帝都東京をはじめ、祖国の地を曝させてはたいへんである。一命のあらん