青年 / 北条民雄

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地名一覧

四国

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うちに神戸港を出帆した汽船浪花丸がひどくたどたどしい足どりで四国のこの小さな港町に着いたのは、もうその日の夕暮であつた。まだ

大阪

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、赤黒く陽焼けした顔や手で明かである。多分、大阪や神戸へ働きに出てゐる息子や娘のところへ、一晩宿りくらゐで

神戸

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陽焼けした顔や手で明かである。多分、大阪や神戸へ働きに出てゐる息子や娘のところへ、一晩宿りくらゐで出かけ

たからである。彼は自分の帰つて来ることを、神戸から電報しておいたのだ。けれどそれらしい者は見当らなかつた。

東京

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なんにも映つてゐなかつたのである。彼は昨夜東京を発つて来た。三年目の帰郷であつた。上衣のポケツトに

無意識に感じてゐた。兎に角兄貴を見舞つたら早速また東京へ逃げ出すのだ、やつらは俺を放さうとしないに違ひない、

も光りも持つことが出来なくなつてゐた。彼が東京で暮したのは僅か三年、足かけ四年に過ぎなかつたが、

た。彼は清野が田舎へ帰る前の半年ほどを、東京で一緒に暮した。と言ふよりも清野の世話になつてゐたの